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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

MMT:アンチ財務省・日銀

はじめに

今回もイデオロギーが強いので注意.また財政的な議論をしているが,専門性が低く図書館にも行けないため,根拠は弱い点ははじめに注記する.

以前行動経済学的な根拠から,既に廃案になった非一律給付金について批判した.結果として一律型となり改善は見られただろう.申請の有無については思うところもあるが,詳しくは下記を参照,概ねいい方向へ向かっただろう.

pytho.hatenablog.com

既往研究:大局的過渡期

ただコロナに限らない大局的・マクロな見方が依然必要だ.パンデミックのようなVUCAとベーシックインカムについての主張は下記に示した通りだ.

pytho.hatenablog.com

例えば以下は分かりやすくそれらをまとめている.

国民すべてに無条件かつ一律に一定額を給付する「ベーシックインカム」の歴史とは? - GIGAZINE

COVID-19の流行以降、「ベーシックインカムの実施」を求める声が急速に高まっています。2020年4月にはアメリカ史上最年少の女性下院議員であるアレクサンドリア・オカシオ=コルテス氏や、BRICsという概念を生み出したことでも知られる経済学者ジム・オニール氏などの著名人が、左派・右派の垣根を越えてベーシックインカムの実現を訴えました。

中でもオニール氏は、「2008年頃の世界金融危機の際に打ち出した政策のうち、金利引き下げなどの政策はほんの少ししか経済に影響を与えなかった」として、「自己隔離するために仕事を辞めるという極めて難しい決断を国民に強いる代わりに『直接お金を渡す政策』を実施するべきだ」と論じました。

(中略)

一方、イギリスは1970年代にマーガレット・サッチャー政権下で推し進められた「サッチャリズム」と呼ばれる一連の経済政策を展開しましたが、貧富の差は拡大し、失業率は上昇しました。しかし、スローマン氏はこの経済危機の中で助成金運動が盛んになった結果、ベーシックインカムの思想に近づいたと論じています。

上記でのサッチャリズムへの批判は今のアベノミクスと重なるところが多いのではないだろうか.力強い経済政策に対し逆行する社会という意味で.

そもそも国民や官僚における財務省と日銀の見方が誤っているように感じる.いわゆる国債が国の借金だとか,それを受けた財務省の緊縮だ.前者はそのものの意味は誤りでないだろう.しかし一般の法人や家庭との帳簿とは根本的に異なる.これを受けて日銀の働きも重要になると考えられる.要は私がMMT支持なことを主張したい.

MMTのすゝめ

日本における問題点は例えば以下で熱弁されている.目次の多さからも十分窺い知れる.

日本の財政問題 - Wikipedia

MMTについては下記などが参考になるだろう.

現代貨幣理論 - Wikipedia

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一応MMT:現代貨幣理論を簡単に自分の言葉で説明する.これは国による支出が事実上中央銀行の通貨発行によって賄えることを根拠に潤沢な社会サービスを訴えるような主張だ.

伝統的財政の限界

これを根拠にすれば,フルレバな社会保障も可能になる.既存の手法における限界は日銀総裁が最も感じるところだろう.経済・財政の初学者からしても見え透いている.それゆえか日銀の金融緩和も市場に焼き石に水どころか猫に小判,歯牙にもかけないだ.このあたりは以下にも詳しい.

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もう日銀に切り札がないことは見透かされている.今後の円高株安への対応策が気になるところだ.であれば”伝統的”財政が限界に達しているという見方が自然だ.ここで伝統的と述べたのは経済学でも同様の経緯があったためだ.これもかつては合理的な人間をモデルにしてきたものの,限界点における折り合い・パラダイムシフトとして行動経済学的が生まれるきっかけとなった.財政においても同様の状況に突入しつつある.

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考察:具体的にMMTでどうなるか

まず大前提として,利潤追求の企業と異なり,行政は不景気こそ歳出や公共投資を増やして経済の活性化を目指していくのはニューディール政策から普遍的な手法だ.昨今のコロナで企業の経済活動はひどく落ち込んでいる.単純な保障を求めるわけではないが,企業が作らざるを得なかった経済の穴を埋める公共的責務が行政にはある.そこで赤字国債だろうと積極的財政出動が必要だ.

しかしここでプライマリーバランスを重視する声もあるだろう.ここでMMTである.特にMMTは日本向けの制度だ.円という自国通貨が大きな強みとなる.世界基準のドルや複数国で管理されるユーロでは他の情勢の影響も受け,相対的な市場価値のコントロールも難しい.しかし円は経済規模に対してこれが小さい.安全通貨として見られるきらいはあるものの制御しやすい.そして為替や経済活動の傍ら,財源として強く用いられる.手厚い社会保障によって歳出が増加しようとも,通貨発行によってこれを相殺できる.

また日本において,高齢社会に代表されるように歳出の増加に歯止めがかからない中でこれは切り札たり得る.通貨発行によるため,相当の社会充実を図らない限り限界はないと言える.これであれば,財源に強く懸念のあるベーシックインカムについても,導入は容易だろう.また通貨発行自体が副次的に慢性的なデフレを解消できる.前述の通りアベノミクスがデフレに対して何一つ効果を示さない中では,これすらももはや劇薬足り得ないかもしれない.しかし多くの人が将来に対する漠然とした不安に対して貯蓄する.

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]2019年」によると、「金融資産の保有目的(金融資産保有世帯)」の回答として多いのは、以下のようなものになりました。

 

・老後の生活資金……57.0%
・病気や不時の災害への備え……47.4%
・とくに目的はないが、金融資産を保有していれば安心……27.5%

(以下省略)

https://news.mynavi.jp/article/20200318-997479/

定期的な収入があれば,こうした事態は回避できるだろう.そして投資や消費などでボトムアップ式のさらなる経済活性化が狙えるだろう.

加えて今回のコロナも同様にVUCA社会に突入している.今後災害をはじめとした事態が困難として十分考えられる.その都度の検討よりも,予め社会変革を行った方が効率的で安定的で冗長的だ.

しかし通貨発行を担保にした政策に批判も多いだろう.まず日銀が政府から独立している点には十分注意しなければならない.ただしこれについては,現状の日銀と政府の近さも同様に批判できる.政府の濫用と言われても言い逃れできない状況だろう.実際,上記のYouTubeの通り日銀は既に多くの国債を買い入れている.

また通貨発行によるハイパーインフレの批判も根強いだろう.

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確かに通貨発行を軸にするにあたりハイパーインフレへの注意は必要だ.しかし前述のとおり日本のデフレ脱却のためにも強気のインフレが必要である.

蛇足:貨幣経済の将来性

さらに世紀単位の長期的な懸念として貨幣経済に対する懸念もあるだろう.既に信用経済の進出は強い.暗号通貨や電子的決済の増加で単純に紙の担保や,それを前提とした全体の議論がひっくり返る可能性もあるだろう.AIにより仕事がなくなり,食料といった消費・モノも安定化すれば,社会が十分に成熟・安定するだろう.そこで経済的な価値が白紙化する可能性もある.

まとめ

  • 伝統的財政の経済対策は限界に達している
  • 政府はMMT的通貨発行による手厚い保障をすべき
  • ベーシックインカムも併せれば消費・投資を強く促せる
  • VUCAに強い社会の基盤たり得る
  • デフレ脱却の切り札になる
  • 通貨乱造によるハイパーインフレには十分注視しなければならない

後記

タイトルに財務省を入れたものの特に言及できなかったのが残念だ.しかし日本の行政の緊縮による弊害は多くで見られるので諸悪の根源・日本の癌だと個人的には思っている.上記と同様に省庁批判している旨を最後にここで言及できれば幸いだ.財務省も行政は公共サービスとして積極的に財政出動して超福祉的姿勢を示すべきだと思う.

様々なリンクを貼ってみたもののコロナで文献的な根拠がないのが心残りだ.自粛期間が終わればMMTに関する文献もぜひ読もうと思う.これにより論点を補強できれば,追記か続編を記したい.

また自粛期間と言えば,延期の方向性になっている.だが経済活動への影響が無視できないほど大きくなってきた上,気候として感染力も弱まっていると予想されるので,楽観的な方向へ検討すべきだろう.このあたりはホリエモンあたりが強く主張している.個人的には単純な自粛の延長/解除ではどの道混乱が予想されるので,中間的措置が望ましいと考える.テレワークの継続や休日の遠出の自粛・努力をやんわり促すような,日本が得意な曖昧な指示によって(皮肉)\

 

追記

バイデン氏、巨額投資にカジ 環境・ITに3兆ドル (写真=ロイター) :日本経済新聞