- Electrification of Class 8 Trucking: Economic Analysis of In-Motion Wireless Power Transfer Compared to Long-Range Batteries
- Efficient Electric Vehicles Assignment for Platoon-based Charging
- Zero emissions trucks An overview of state-of-the-art technologies and their potential
- グラフ
- FCV・水素
Electrification of Class 8 Trucking: Economic Analysis of In-Motion Wireless Power Transfer Compared to Long-Range Batteries
Evan Sproul ; David A. Trinko ; Zachary D. Asher ; Braden Limb ; Thomas H. Bradley ; Jason C. Quinn ; Regan Zane
Published in: 2018 IEEE Transportation Electrification Conference and Expo (ITEC)
内容
Class8級の大型トラックの非接触給電を詳細に評価した.車両モデルの作成には,アルゴンヌ研究所のAutonomieというツールを用いた.そこで,ICE,非接触給電WPT(Wireless Power Transfer),BEVを作成し比較した.空車重量は既存のICEと同等と仮定し,積載量は26tとなった.BEVは600kWhとした.WPTの全体の効率は87%とした.
コストも推定し,既存のICEとWPTが12万ドル,BEVが18万ドルと推定された.これを10年の対応年数として社会割引率を考慮した.なお燃料や電気の価格は一定とし,バッテリーの交換は考慮していない.
また21台のClass8トラックの738時間分の走行のデータからドライブサイクルを作成した.そのサイクルで用いられたエネルギーからGHG排出量も計算された.
コスト分析の結果,WPTは最も低くなった.ICEは燃料費が高く,BEVはWPTに比べ初期の購入費が嵩んだ.ただし本研究では,WPTインフラの投資・使用量は含まれていない.米国の高速道路網のインフラ整備は2350億ドルに上ると見込まれる.BEVについてもバッテリー交換がないため,これを考慮するとWPTがより有利となることが見込まれる.
エネルギー使用量をベースに排出量も分析された.積載と空車を考慮した.電力ミックスは石炭34%,天然ガス32%,原子力20%、再エネ13%となっている.BEVはいずれもICEより5%減少,WPTは空車で16%,積載で11%減少となった.そのため再エネの推進により,さらなるGHG低減が見込める.
WPTの最大の利点は,小型バッテリーを使用することで,長距離バッテリーに関連する大きなコストを事前に回避できることとまとめた.
今後の課題は,標高の変化を与えて,より現実に近いシミュレーションで精度を高めることと,WPT実装によるエコドライブや自動運転の実現の影響の検討とした.
感想○
WPTに非常に有利な結果が出ていたが,大きな障壁であるインフラ建設を無視している点は評価できない.しかし大型トラックのトリップ特性との相性は良いため,前向きな結果は肯定的に捉えたい.インフラ建設の見積もりの他の研究の数値も参考にして,実際的な比較をしたい.
Efficient Electric Vehicles Assignment for Platoon-based Charging
- Liu, C. Wang, T. Fu and Z. Guan
2019 IEEE Wireless Communications and Networking Conference (WCNC), pp. 1-6
内容
本研究では,MED(Mobile Energy Disseminators)という大容量バッテリーを有した車両を充電ステーションに置き換えて隊列走行中に非接触給電を行うシステムにおいて,全体の効率の最大化のための各EVの最適化を解くことを目的としている.なおMEDのルートは幹線などに沿って先に決まっているものとする.
車両・エネルギーのネットワークは,コネクテッドカーとしてスマホと同様の4Gで接続されるものとし,車両間のローカルな通信は想定しない.
隊列の充電はレゾナンス型で先頭のMEDからリレーされるマルチホップ型を与えた.後続車にリレーする度に効率が低下する.MEDは,隊列走行時以外は充電ステーションで給電するものとし,走行時は十分なSoCが担保される.ただし後続車は既往の隊列走行の研究と同様に,OD間で隊列走行を行うための迂回や待ちが発生する.
これらを定式化した.なお時間に沿った静的な分析がされたため,EVの再割り当てはされない.また計算負荷が大きく,小隊の参加・離脱に時間がかかるため,離散的に時間をおいて計算された.
そうして3km四方の仮想地区で100台のEVでシミュレーションされた.比較として小隊ではない動的充電の参考文献が示された.上述の小隊を考慮することにより,全体でのMEDの必要台数や平均遅延時間が2~3割低減できることが示された.
感想○
非接触の充電を道路からでなく,別の車両から行うというアイデアに驚いた.
Zero emissions trucks An overview of state-of-the-art technologies and their potential
July 2013, Eelco den Boer (CE Delft), Sanne Aarnink (CE Delft), Florian Kleiner (DLR), Johannes Pagenkopf (DLR)
https://theicct.org/sites/default/files/publications/CE_Delft_4841_Zero_emissions_trucks_Def.pdf
独のプロジェクトでは200kWの動的非接触給電が可能なことが示された.
長所
- 航続距離の制約の解消(Chawla and Tosunoglu, 2012)
- 美観(Lee, 2012)
短所
- コスト(Chawla and Tosunoglu, 2012; AEA, 2011)
- 設置位置の議論
- 90%以上の効率が技術的に難しいThrush (2012)
- ダイナミック給電が系統に与える影響が不明
Irrespective of energy losses, the impact of a wide-scale application of dynamic charging on the (renewable) electricity system (e.g. on supply/demand imbalances) has yet to be determined as well.
既存の実用はバスが中心で,KAIST主導のプロジェクトが代表的で,これは1cmのクリアランスで80%の変換効率となっている.
Ingenieurgesellschaft Auto and Verkehr (IAV)は高速道路での非接触給電プロジェクトを進めており,90%以上の効率が担保できるとしている.設置されるのが高速道路であるため,長距離トラックへの応用も期待されている.
スウェーデンの都市間では,架線と非接触給電レーンの両者の実用試験が行われている.(Vattenfall, 2011)これまでの研究の実用可能性やコストを検証するとしている.
まとめとして,バスなどの公共交通は停留所などの移動特性から,定置型の非接触給電で十分と見込まれるが,長距離トラックは動的な給電が必要となる.今後の検証が必要で,実用化には国際的な規格の統一も必要だろうと述べている.また非接触給電技術と十分な再生可能エネルギーによる,ゼロ・エミッショントラックの可能性に言及した.
この報告書では,他にバッテリー交換や架線などにも言及されているので,必要に応じて参考にしたい.
グラフ
そういえばフローチャート作ってなかったしついでにやるか🤔
— AOKI Takashige (@aochan_0119) 2020年10月22日
毎回後付けになるのが悪い癖
ゆえにこそ悪例としての私
総じてこれまで出してきたグラフも雑で汚いので,改訂したい.
例えば下図は国内トラックメーカの空車重量と車両総重量GVWの代表的な値のプロットで,その相関をとっている.本筋ではなく補足的なデータなので,そこまで厳密さは求められないが,メーカごとにプロットの凡例を変えたりしたかったりはする.
空車重量とは文字通り何も積んでいない状態の重さ,さながら納車時といった具合.細分化すれば,ボディ,シャシ,エンジン,サス,ホイールなど.
GVWは免許に関連して制限もかかる.空車重量に加えて貨物の積載,人員などコミコミで詰める限界の重さが規定される.
ICCTのような海外な主要な機関はコンサルらしくきれいなグラフを作るので憧れというか対抗意識というかがある.
ちなみにこのデータは積載量とバッテリーの関連の補助に使う.厳密にはエンジンなどのパーツごとにボトムアップ的に求めるべきだが,前述の通り本筋ではないこともあり,手を抜ける部分は手を抜くというか効率重視でこういう流れになっている.
話が前後するけどFさんのを使って作った図も見栄えがよくないから,自動化,美化したいんだよね.
FCV・水素
ブログでは言及していない気がするがFCVの動向も注目だ.
特性として大型車との好相性がしばしば挙げられ,私の研究の所感としても同意する.
アメリカでGMと提携など攻勢を強めていたFCVのトラックメーカのベンチャーNikolaは,各種スペックなどの詐称が報道された.
FCVトラックとしては,天下のトヨタ様も日野と共同で開発を進めている.市場の大きな北米が中心でそれぞれプレスが出されている.
上記のNikolaに破壊的技術を以て先を越されたかに見えたが,思いの外研究が難しいことが示唆されるとともに,既存大企業の堅実な歩みが相対的に信頼を勝ち得る流れとなった.
しかしいずれも研究段階で本格的な市場の参入はこれからだ.そのため今後の動向は,研究を抜きにしても目を離せない.
またFCVに関連して,水素の燃料としての利用もエネオスはじめ進んでいる.ただEV同様に水素”自体”は汚染物質などを排出しないものの,日本の火力発電の高さから製造過程における負荷には注意しなければならない.
日野が発表「プロジェクトZ」っていったい何? 大型トラックの電動化が進む訳とは | くるまのニュース
悲しみの12/22
推しのライブが論文の発表会と被った() #ホロの試練2
— AOKI Takashige (@aochan_0119) 2020年10月23日
推しのV界隈も最近色々あって,書きたい気持ちはあったが,いちいち杞憂やっているのも寒いなと思って,そういうのとは距離を置こうと思った.
動画は見るけどね.ファンの交流というか二次活動的な方向性として.
ぶっちゃけ極論これだし.ただサメちゃん100万はエグい!
a!
Vの炎上、友達から送られたけどめちゃめちゃ納得してしまった pic.twitter.com/0S6NRYWXxx
— マカ (@0ZEIMAKA) 2020年10月22日