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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

日経

久しぶりに日経を読んで面白かったので感想をまとめる.

日経購読自体に加え,新聞の本来的な読み方とは異なるところだが,全体的に網羅的に読むという行為は1ヶ月以上ぶりにも思える.

対象は本日2021年8月24日付けの朝刊.

電子版でも比較可能か.

 

 

一面トップにはまずセブンイレブンの配送事業参入.

500m圏内に最短30分で商品を届けるという.

読んでみての感想は「うまくいかなそう」だ.

 

まずコンビニ小売業とECの売上規模が示されているが,コンビニと完全に競合する業態ではないだろう.

個人的な印象としてはそれよりもUberEatsの方が競合に思われる.

コンビニで消耗品や嗜好品を買う機会は少なく,セブンコーヒーや唐揚げ棒から弁当や惣菜パンなどの食料品を買う機会が圧倒的に多いからだ.

 

さらに配送条件や価格設定も気になる.

そもそも500m圏内というのは十分に徒歩圏内であり,いちいち到着タイミングの曖昧なサービスを使う優位性や機会が思いつきにくい.

緊急性が高ければ自分で赴くほうが確実だ.

となると高齢者や妊婦などが台頭しそうだが,前者がウェブサービスを使いこなせるとは思えない.

 

確かに都心のドミナント出店戦略と物流拠点化との相性は抜群だが,その先の繋がりの弱さがどうしても否めない.

 

 

一面には他に人口動態と経済成長がまとめられる.

確かに経済成長に人口増加はこれまでの経済論からすると欠かせない.

そして先進国は教育加熱や社会の成熟化で出生率も低下し,一定数は移民の流入に頼らざるを得ない.

しかし移民排出国側も徐々に経済発展し,出稼ぎのインセンティブが低下するほか,各国の成熟化で移民獲得競争も激しくなる.

としたときに,言語障壁も高く,技能実習生のような旧態依然とした制度をとった日本に持続可能性はない.

 

記事では英のトラックドライバー不足が挙げられるが,これは日本でも同様の課題がある.

ただしこのままでも技術の発展進度によっては,なんとかなるかもしれないが危険な賭けだろう.

 

 

あるいはコロナの病床関連やパラリンピックの開幕だ.

コロナもいよいよ本格的な長期戦の様相を呈してきた.

いい加減に構造的な体制が構築できなけれな,待つのは過剰な消耗戦だろう.

 

別ページにはなるが,中国では徹底的な管理により抑え込みを図っている.

かなり個人の自由は権利は制限されてしまっている印象だ.

陽性時と濃厚接触時に問答無用で隔離されるほか,日常的な移動もトラッキングにより事実上制限されるようだ.

日本の自由奔放さに辟易とする一方で,反対も度が過ぎれば辛いというものだ.

 

ただ中国のこうした慎重な姿勢は,物流や貿易経済に影を落とす側面もあるようだ.

中国国内のワクチンの効果の信頼性も背景にある.

 

 

2面にはプラスチックの転換の話題.

ただこれは世間的に公衆衛生との戦いの最中の愚行との指摘もある.

まあ環境的な取り組みの優先順位付けとして微妙な印象も否めないが,保守的な本国における比較的先進的な政策の1つとして評価したい.

実際的な規制云々というよりかは,レジ袋などの一連の流れで,環境意識を高める効果に期待したい.

事業者側には自然素材や生分解性プラスチックのような本質的な環境負荷低減の意識を期待したい.

プラスチック問題は議論点がしばしば移るが,個人の見解としては石油の消費量というよりマイクロプラスチックなどのゴミが問題だ.

それらのメッセージングも改善の余地はありそうだ.

 

ほかにはパナソニックの本社移転.

関西の雄でTESLAとも提携し好調な中での意外なニュース.

あるいは好調ならばこそか.

あまり東京一極集中に加担して欲しくはないのでやや残念.

 

 

さらに国際経済研究所の所長は米国のインフレに言及する.

確かに歴史を振り返っても戦争などの困難の終局後はインフレするのが鉄板だ.

あるいは他のモダンな経済モデルの学説でも説明可能かもしれない.

そこで各中銀の金融緩和のバランス感は非常に難しそうだ.

特に日本はコロナ前からただでさえ苦慮していただけに,仮にアフターコロナとなっても立て直せるのだろうか.

不動産についても語られるが,米国の需供状態は逼迫している.

最近NISAや株など余った資産を運用しているが,そうした目線も加わると俄然本紙の面白みが増す.

 

youtu.be

 

KADOKAWA社長の夏野氏の議長選任も面白い.

彼のことはほとんど知らなかったが,紙面でアクティビスト的な取締役の役割を果たしていることを知れた.

ミレニアム世代の実務のパイオニアといったところか.

その姿には憧れるところがある.

私自身も社内で問題提起を済ませたばかりのところだ.

 

 

コロナに話を戻すと,2類や5類についてもまとめられる.

新聞は上記のように門外漢でも簡単な説明が添えられているところが丁寧でいい.

それでいて内容にはしっかりと深みと鮮度がある.

 

SNS上でホリエモンなどはコロナの5類に肯定的な態度をとっている.

一方で政府は慎重な姿勢だ.

これも保守と革新の対立とも見れるが,革新派の私も本件は慎重な姿勢をとるべきように思う.

最近ホリエモンの革新派のパフォーマンス性にやや辟易としている.

ネオ左翼的というか.

やはり特効薬がなく致死率がインフルエンザに比べ一桁多いのは憂慮すべきだ.

ところで日経はデルタ株でなくインド型を第一表記にしているようで,これは問題ではないだろうか.一応デルタの文言が併記されているとは言え.

 

 

また金融商品の知識になるところもある.

昨今ESG投資などが流行っているが,その中で社会貢献債が急進とのこと.

日本は金融庁主導でこれの明確化にも先進的だとか.

明日の給料で数万円載せてみるか.

 

ファーウェイは米国の規制対策として,子会社を切り離して活路を見出しているらしい.

このあたりはああすればこうのイタチごっこの様相だが,第三者的には面白い.

 

セメントのCO2問題もまた取り上げられている.

CASEとセットで私の専攻でもあった環境都市工学的トピックとして,常に取り上げられている印象だ.

クリンカと強度など工学的な具体的特性まで言及されているのはさすがか.

個人的にこうした大量のCO2排出工場に対して思案するのは,その排気を海底から放出するのはどうなのかということだ.

要は海を炭酸化しつつ,その炭素を植物プランクトンや海藻の生態系に取り込ませる作戦だ.

PHの変化は環境問題の懸念にもなりそうだが.

CO2が大気中のガスとして問題なら,CSSが地中に埋めるように,海を媒介してもいいのではないかと思ったりするわけだ.

こんな素人考え,散々こねられているだろうけど.

 

さらに米求人サイトのインディードによれば,ワクチン接種済みの条件が付されれることが増えているとか.

確かに店舗のマネジメントリスクを考えれば自然だが,労働者側からするとほんの少し不当なような気がしなくもない.

 

 

またコラム欄には精神病の病床問題が挙げられている.

アクティブシニアで健康年齢,生き様の改善の機運が高まる中で,議論をより一層活性化させる問題提起がされている.

要は精神病でも積極的に社会復帰を図るために,病床の削減を目指すべきとの論調だ.

認知症尊厳死もコロナを契機としつつ,もっと議論すべきようにも思う.

 

学校教育も同様にコラムがあった.

そこでは紋切り型に批判があり,パラリンピックの国際的あるいは身体的多様性を認められる環境づくりの促進が説かれる.

これはティール組織でも読んだ通りだ.

 

pytho.hatenablog.com

 

教育といえば免許制度の更新のあり方もまとめられていた.

更新を加える欧米との対称性は衰退を感じさせる.

 

研修の不満が多いとのことだが,であれば廃止ではなく,ニーズにあった内容へ調整するのが筋ではないだろうか.

長時間労働での時間確保の難しさも,研修で時間管理を教えたり,業務範囲を明確に縮小させるような方向性で検討すべきだ.

 

そもそも紋切り型の教育がオワコンなので,そんなものはYouTuberに食べさせておけばいいのに.

これを生かしてコミュニケーションや論理性を育ませるべきだろう.

 

行政の研修のつまらなさは私も感じるところだ.

自動車運転免許の更新の教習.

あれ意味ある?

しかも視力の”再検査”を受けるシニアも多いし.

やるならいっそ効果測定みたいに厳密化とかしないと危ないだろうけど.

 

 

最後に埼玉県庁舎の約10年以内の建て替え・建築が言及されていた.

これは耐用年数との兼ね合いだ.

埼玉は浦和にシンボリックで先進的な庁舎が立てられることを期待したい.