Arts, Autumn Leaves and Built by Kuma #nezumuseum pic.twitter.com/kB8ED6VwPr
— AOKI Takashige (@aochan_0119) 2021年12月5日
上記に以前書いた通り、12月初旬の紅葉の散り際に、紅葉と企画展を目当てに根津美術館へ。
午前中10時から来ており、館内を見終わった後はちょうどお昼だったので、軽食の神戸牛のパイを館内のカフェで済ませた。
庭の景色も楽しめて、おしゃれ価格なもののQOLが高められた。
肝心の企画展は「鈴木其一・夏秋渓流図屏風」で詳細は下記。
1階の展示室を贅沢に使った余裕のある展示だった。
本企画展の主題である「夏秋渓流図屏風」を中心に、そこまでの作者や流派の系譜や参考にされたと思われる展示がまとめられていた。
作者に焦点を当てて、その代表作を展示することしばしば見られるが、単一の作品にこれほど焦点を当てる企画も珍しい。
しかしそうして集中的に見てみれば、他の展示が有機的に要素的な関連性を持っていた。
この功罪もあって、主題以外はついでの誹りを避けられず、主題との関連性がどうしても重視されてしまうところもある。
ただ一般的に意識できない上記の視点を主に置ける、置かされることは美術館側の意図として絶妙だ。
その上でそれぞれの作品の他のバックグランドを探るというのも、見方のアプローチの新しさとして面白い。
具体的にあった他の展示としては、主題に描かれた檜の同種の構図の作品の時系列的、流派ごとの変化とか、構図の類似する屏風、筆者の以前の作品などだ。
檜は時間や流派の違いを、同じ構図で比較しやすく、それだけでも面白さと味があった。
例えば、抱一はにじみが油のようで、雪を塗らないことにより表現するのが巧かった。
構図の似た屏風も、細部や色使い、筆使いは異なる。そういうところに逆に集中して見られるのも面白かった。
筆者の以前の作品は、時間的にどうしても未熟さというか、比較で劣る印象もあるが、筆者の癖あるいは得意とする表現のようなものを感じやすかったようにも思われる。
笹に代表される単純化されたマットな塗りは、一貫した特徴だったが、その中でも単純なグラデーションも併用されているテクニカルな面もある。
この色味などが抽象化である一方、百合や全体的な構図は割と写実的で、バランス感の豊かさを感じさせる。