6/11 Sat.
新国立劇場でバレエのアリスを観劇。
ちなみにこれまでの新国立劇場の観劇記録は以下。
金曜に引き続いて今日はオペラ
— AOKI Takashige (@aochan_0119) 2022年4月18日
かの有名なアリアがやはりすごかった
これまでは図らずもオペラばかりだった。
今回はバレエ。バレエは冬季に各地で行われるくるみ割り人形に行きたかったが、行けておらず今回が初めてだった。
直前に判明したらしいが、私の見た昼公演は助演?女優の本島さんの最後公演だった。
図らずも感動的な場面に立ち会えた。
圧巻の演技だったし、カーテンコールも鳴り止まなくて凄かった。
赤の女王の配下のトランプの端役の人が、ロールプレイでビビりながら花束贈呈しているのがよかった。返しとして首はねを示唆する動作で応じたのもさすがプロといったところだった。
肝心のバレエについても美しかった。
主演女優のアリスのソロが中心的な第一部から、不思議な雰囲気で短めの第二部を経て、大団円となる赤の女王の城での一同集合。
この構成も面白かった。
バレエ的な動きの要素は、割りとフィギュアスケートが馴染み深い。一方、氷上との物理的環境の違いによる技術的進化分岐も面白い。
他にも結構細かいところが凝っていて、最終章の城を筆頭にした舞台設定はもちろん、冒頭のアリスの体が巨大化するシーンでの錯視とプロジェクションマッピングの応用表現、記号を模したスカートのバレリーナの衣装もよかった。
ここの模型や使用状況の解説や無料のブックレットもよかった。まあ5000円までなら出してたかも。それくらい心酔していた。
あるいは冒頭の赤の女王の車もややディズニーのパレードを彷彿とさせるようで、バレエの域に留まらないようでいて、妥当に面白く工夫しようとしているところもよかった。
これにより赤の女王は冒頭行動が上半身での表現に制限されるが、これが却って後半でのイキイキとした動きを際立たせる。
類似してマッドハンターのタップダンスも同列に挙げられるか。最近では市民権を得たが公演当初は賛否があったかもしれない。こういう文化的に積極的なところは個人的に好印象だ。今後も新たなインポートに期待したい。陳皮ながらありそうなのだとARとかか?
ちなみにマッドハンターについては、これ以降の公演でロイヤルバレー団からの招聘が参加とのことでできることならそこを狙いたかったが、予約が遅く既に全席完売していた。。感動的な退団の機会に預かりしれたので、結果はオーライ。
最後にこれは無理に言及することもないが、音楽はまずまずだった。もちろん生演奏でそれ自体は高水準で、曲構成もキャラクターごとにフレーズや楽器が割り当てられていて現代的な常道を抑えつつ分かりやすくいい演奏だった。とはいえ、バレエに対し感じたような総合を超えてくるような感動には至らなかったのが正直なところだ。しかしこれは全体に高水準な中で相対的に惜しいというだけであり、特段欠点でもないし、批判的に聴かなければ何も気にならないだろう。
また公演途中に既に第一部の時点で満足していたので、調子に乗って色々課金した。
一人酒をする独身以上男性の完成である。
なおその後、サントリー美術館に行った挙げ句、六本木で鍋に日本酒をキメて、極まりけりなり。酒が美味しそうだったので仕方ない。
劇場で思うのはこの組織的な内容が洗練されてるという点。
反対に個人アーティストのライブや公演もあるが、本人の力量に依存し再現性がないのが個人の文化に対するイデオロギーとして微妙に思える。
全体を通してよかったし、主演の池田さんもキレイだったので、ぜひリピートしたいと思った。ぼちぼち入会を考えても良いような気もする。会社からもそう遠くないし。