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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

コロナ禍決算振り返り

Objective

以前その半自動化も試みたので,当時は未発表だったコロナ禍やその他社会変化を受けた上での財務諸表を軽く触れてみる.

 

Previous Study

前述のとおり,以前は自分で自動化を試みたが,調べてみたところ,有報や決算資料のまとめるサイトはあるようだ.まあ社会ニーズが高いので当然だろうが.

 

pytho.hatenablog.com

 

Source

そこで各社の有報を探すのもバカらしいし,確認するのは文章ではなく,簡単に数値だけなので,以下のサイトを用いた.非常に便利だ.

https://www.buffett-code.com/

 

JR

まず鉄道会社から.

旅行の自粛と通勤需要の減少から,各社営業CFは負で悪化している.

今回の下記資料にこれまでの数値が載せていない点に留意いただきたい.

その中でも東は積極投資が伺える.

鉄道会社なのでどのみち潰れはしないだろうが,現代では民事再生を渋られる可能性もありそうなのがやや心配だ.

コロナ禍を通じて一気にスリム化を図って,いわば不良債権処理的なことをしたのならばいいが,このあたりの詳細は株主総会や有報の記述に詳しいだろう.

東は当初より,JR3社の中では多角化に積極的だったので,個人的には好意的に解釈したい数値でもある.

 

また営業のCFの絶対値では,依然として東海が最強である.

コロナ禍でも東名阪の需要はあるだろうし,航空からの流入という影響もありそうだ.

しかし長期的に見たときに,アフターコロナの移動需要の推移やリニアそのものの需要が博打くさくなって,きな臭さが増している懸念も否めない.

直近では新幹線運転手の離席問題もあった.

 

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銘柄コード 会社名 決算月 時価総額 当期純利益 自己資本比率 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF
9020 東日本旅客鉄道 3 2,936,814 -577,900 28.4 -955,450 -189,968 -749,397 983,385
9021 西日本旅客鉄道 3 1,205,164 -233,214 24.5 -345,342 -103,295 -211,692 446,749
9022 東海旅客鉄道 3 3,245,838 -201,554 37.9 -670,076 -169,354 -134,718 262,638
9142 九州旅客鉄道 3 397,820 -18,984 43.8 -105,566 -10,361 -53,912 105,870

 

youtu.be

 

航空

航空は2社寡占なので,過去と丁寧に比較しておく.

営業の反転ぶりがもはや芸術的だ.

ANAはもともと比較的攻めの経営姿勢だったが,今なお続いていると言えそうだ.

しかしやはり民事再生を経て守りだったJALの方が今回の危機は有利か.

 

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新興IT系企業

ここはカテゴライズが難しいが,日本でインターネットを通じて成長してきた比較的若い会社を比べてみた.

ZHDの立ち位置も気になるので.

時価総額に対して楽天の金の回転率が高いのが面白い.

また自己資本比率が低く危険に見えるが,ネットの記事によれば銀行などの金融系の要素からとのことだ.

モバイルの投資もあり読み解くのは難しい.

 

メガバンクも調子いいらしいので,ネット銀行系含め次回で比較するのも面白いか.

 

またこれらの企業はZHDのような競争,合併とともに集約化が進み,最終的にデータを主とした無形財の新財閥に繋がっていくだろう.

我々は今その萌芽の過程を見ている.

逆に今回は紹介しないが,化石燃料などの有形財を重視してきた財閥系商社は業態変化を迫られつつある印象だ.伊藤忠の伸びを許したのも,そうした結果の1つと言えそうだ.

 

この考えはGAFAやBATの世界的な流れからも明らかである.

無形財の課税や独禁法など立法府は対応に苦慮しているが.

 

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銘柄コード 会社名 優先市場 業種 決算月 時価総額 営業利益率 当期純利益 純利益率 ROE 自己資本比率 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF
6098 リクルートHD 東証1 サービス業 3 9,244,649 7.2 131,393 5.8 12 49.7 228,283 286,597 -40,373 -172,713
4755 楽天G 東証1 サービス業 12 2,013,834 - -114,199 - - 6.4 656,317 1,041,391 -303,347 808,108
4689 ZHD 東証1 情報・通信業 3 3,991,963 13.4 70,145 5.8 2.6 40.1 137,180 207,921 -12,349 -12,070
4751 サイバーエージェント 東証1 サービス業 9 1,105,913 7.1 6,608 1.4 6.6 33.3 22,994 37,028 -16,621 -2,590
3092 ZOZO 東証1 小売業 3 1,148,170 29.9 30,932 21 55.8 44.1 41,438 44,790 -4,648 -12,117
6758 ソニーG 東証1 電気機器 3 13,594,326 - 1,171,776 - 20.8 21.3 0 - - -

 

データ通信

楽天の投資たるモバイルの分野の現在の状況も気になる.

総務省が睨みを効かせている.

楽天のみならずZHDやNTTの構造変化もあり,この分野はコロナを問わず面白い年だ.

 

雑で申し訳ないが,ソフトバンク系がどう別れているのかよくわからないので,両方載せておいた.

自分の解釈ではGは実質ファンドでありつつ,無印の親会社だっただろうか.

 

ここは比較的安定している業種と言えそうなので,バフェットコードの自動作成のグラフも見てみよう.

こうして見ると,NTTの売上や利益の高さに驚く.

これだけあれば,総務省にいくらでも袖の下を通せそうだ.

 

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銘柄コード 会社名 優先市場 業種 決算月 時価総額 営業利益率 当期純利益 純利益率 ROE 自己資本比率 フリーCF 営業CF 投資CF 財務CF
9432 日本電信電話 東証1 情報・通信業 3 10,757,377 14 916,181 7.7 12.1 32.9 3,009,064 3,009,064 -1,424,532 -1,689,548
9984 ソフトバンクG 東証1 情報・通信業 3 14,582,678 - 4,987,962 88.6 48.8 22.3 -89,638 557,250 -1,468,599 2,194,077
9433 KDDI 東証1 情報・通信業 3 8,530,464 19.5 651,496 12.3 13.7 45.2 1,057,530 1,682,166 -658,925 -585,571
9434 ソフトバンク 東証1 情報・通信業 3 6,619,661 18.6 491,287 9.4 32.5 12.4 859,427 1,338,949 -511,295 -388,462
4755 楽天G 東証1 サービス業 12 2,013,834 - -114,199 - - 6.4 656,317 1,041,391 -303,347 808,108
4689 ZHD 東証1 情報・通信業 3 3,991,963 13.4 70,145 5.8 2.6 40.1 137,180 207,921 -12,349 -12,070

 

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有報や各指標の勉強の参考

youtube.com