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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

日経クロステック:カーボンニュートラル車の衝撃

欧州連合EU)の欧州委員会は7月8日、「欧州の気候中立に向けた水素戦略」を発表した。30年までに、水素生成の水電解装置に最大420億ユーロ(約5兆2000億円)、同装置と太陽光発電風力発電との接続に最大3400億ユーロ(約42兆円)を投じる。

 

製造時のCO2排出量でEVはエンジン車の2倍近くに達し、その差の大半が電池に起因する。電池の製造工程で大量の電力を使うからだ。

一方で発電時のCO2排出量は再生可能エネルギーの普及率次第で、それが低いアジアでは、LCAでエンジン車とEVのCO2排出量に大差ないのが実態である。中でも中国は特に厳しいとされる。

25年以降にエネルギー生成まで評価対象となる。欧州で有力な自動車の環境評価団体グリーンNCAPが提案するCO2排出量規制のロードマップ(グリーンNCAPの資料を基に日経クロステック作成)

EVからディーゼルへ 欧州グリーン水素でアジア封じ :日本経済新聞

 

LCA規制とe-fuelの組み合わせは、米国へのけん制にもなる。大容量電池を積む電気自動車(EV)ほど、LCA規制で不利になるからだ。大容量電池を搭載した高級EVで、欧州高級車メーカーの牙城を切り崩しにかかる米テスラの台頭を押さえ込む。テスラにはエンジン車がなく、e-fuelを活用できないことも欧州メーカーを優位にする。

そこでもう1つ、欧州自動車メーカーがグリーン水素の使い道として模索し始めたのが、水素を直接燃焼させる水素エンジンである。例えば独ボッシュは今年4月、「第41回ウィーンモーターシンポジウム」で水素エンジンについて論文を発表した。過去に水素エンジンに挑んで形にしてきたのは、独BMWマツダくらい。これから欧州が優位に立てる可能性は十分にある。

テスラ・トヨタ外し 欧州ディーゼル再生の真意 :日本経済新聞

 

世界でみると、太陽光発電に適した地域と、再生可能エネルギーを使いたい地域は一致しない。例えば南米やアフリカは太陽エネルギーが強く再生可能エネルギーによる電力供給に適しているが、ホンダの予測では50年時点で需要は高くない。一方、日本では太陽エネルギーが強くないが、需要は高い。アフリカや南米の太陽エネルギーでe-fuelを生成して日本に運べば、再生可能エネルギーの供給と需要の一致に貢献するというわけだ。

ホンダは、再生可能エネルギーの需給を管理して普及しやすくする「eMaaS(イーマース)」にも取り組む。EaaS(エネルギー・アズ・ア・サービス)と次世代交通サービス「MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス、マース)」を組み合わせた造語で、エネルギーに加えて移動のサービスを1つのプラットフォーム上で実現する構想を指す。再生可能エネルギーの導入を促す仕組みを自動車や二輪車などを活用してつくる。

2050年時点でEVとHEVの総保有コストは大きく変わらない。幅があるのは、e-fuelや再生可能エネルギーのコスト予測(下図参照)に幅を持たせたため(ホンダの資料を基に日経クロステック作成)

ホンダが出した欧州「炭素中立」への答え :日本経済新聞