AOKI's copy&paste archive

高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

交通系のキャッシュフロー

この度,コロナで各社の財務状況が危ないというニュースを散見する中,有報のデータを見るのが面白そうだと思ったのでやってみた.

ANAが融資を急ぐようだが,倒産や公的資金注入はあり得るのか.

特に厳しいとされ,自身の関心が依然高い交通系の事業者を選んでみた.

 

そこで就活動画で有名なFさんのツールを使ってみた.

Fの就職情報

彼ほど企業分析に長けているわけではないので,誤りもあるかもしれないが,簡単に運輸事業を主とする企業のネットキャッシュフローを比較してみた.

とはいえ情報が古く2019年3月期に留まっている.これはFさん個人の力では難しいというのもあるだろうし,最新のものは自分で調べろという意味もあるかもしれない.

ちなみに20年3月期の通期も20年の半期も公開されているので,コロナの財務的な影響を見る手段はある.今回はサボったけど.

それゆえ下図において,コロナの影響はまったく含まれていない.まあこの手の比較は単純に面白いので,アクセス数とかの反応がよさそうなら,折を見てやってみてもいいかもしれない.

f:id:pytho:20201019142553p:plain

結局,コロナの影響はここだけでは測れない.ただコロナ以前の経営の方針は読み解けそうだ.とはいえ会計に詳しいわけでもないので,あくまで私の主観が強めになる.

まずJR東海の数値の移動の激しさが目につく.これはキャッシュカードの合計であるネットキャッシュフローの比較なので,各要素を見てみたところ,財務キャッシュフローの動きの激しさが反映されているようだった.リニア工事に起因する融資と施工会社への支払いだろうか.

まあぶっちゃけネットキャッシュフローだけの描画だと分かりにくいので,各要素を併記したほうがよさそうだ.

またJALANAの動き方が真逆なのも面白い.ANAが投資に前向きで革新的な姿勢なのに対し,JALは保守的な動きだ.こうしてみると,人事や社長の談話よりもおしゃべりな数字と金の饒舌ぶりにこちらの舌を巻く.

これは個人的な就活中のエピソードにはなるが,JALの人事の話では10年の経営破綻から繰り返しは許されないという風潮が広まり内部留保を多めに溜め込むような保守的な姿勢なのだとか.これは心理的には理にかなっている.ただ貯蓄というのは基本的に効率の悪い手段で,私自身もこの話に革新性,ひいては将来性を感じられなかった.持論としては短いスパンでの倒産を避けられたとしても,長期的に生き残るのは難しいのではないかという印象だ.翻って,ANAJALほど保守的ではない.この件も他人事だからだろう.ただ業界が国内ではこの2社の寡占なので,実際的に革新的かは不明だ.また安全の優先度が高い交通系では,行き過ぎた革新性も安全の軽視へ繋がる懸念がある.

ただANAは前のめりの経営でコロナで転ぶダメージが大きかったようだ.ここのところのニュースを見る限り,JALよりもANAの苦しさが際立つ.

ANA、希望退職を募集 賃金カットで年収3割減に :日本経済新聞

全日本空輸が年収3割減を提案 りそな銀行の大リストラとの共通項 - ライブドアニュース

ちなみにこの記事で名の挙がる細谷氏は下の本で読んで知って,個人的に現代人で尊敬する1人だ.おすすめなのでぜひ読んで欲しい.

ドキュメント 銀行 金融再編の20年史─1995-2015

ドキュメント 銀行 金融再編の20年史─1995-2015

  • 作者:前田 裕之
  • 発売日: 2015/12/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

そもそも売り物に対してこういう意見もあって同感だが.

これは旅行にあたり強く思う.JRの往復割は飛行機に比べて割引感が薄いものの,正当な感じがして好感だ.飛行機は往復と片道がほぼ同額だったりするので.これはイギリスに行くときにも思った.往復で違う航空会社を体験したかったのだが,価格でうまく丸め込まれてしまった.競争としては上手かもしれないが,不満は燻る.

 

フレーミングを通して,整理解雇ではなく副業解禁といった前向きな捉え方・発信も重要にも思う.みずほの週休3日導入も賃金カットをうまく言い換えている.そこに正当な批判は生まれるだろうが.

 

最後にJRの東西はコメントしにくい.強いて言えば,コロナ以前にネットがマイナスだった東日本は,青天の霹靂のコロナのダメージが相対的に大きかったか.

ただ鍵RT的な話になるが,JR西の関係者によれば,労使交渉で3月に妥結された賃金について,コロナを事由に減額されるとのことで,労使に対する不満も見られた.それなら組合は不要ではと. 

JR西の労組、冬のボーナス 引き下げ額に合意 :日本経済新聞

 

意外と書いていて面白かったし,ただの考察なので責任もないし,気軽なので就活は終わったけど継続してみたい気持ちもある.転職や株を始めるに際して,業界動向を知る指標としても期待できる.ペンディングおばさんが流行ったのも納得だ.

www.youtube.com