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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

横浜

そごう横浜のそごう美術館のゴッホの企画展を見るために,横浜をぐるっとパスで巡ってきた.

この情勢なのでソロ安牌.

もっとも赤レンガ付近はカップルなど人手も多かったが.

 

 

横浜開港資料館

 

 

特に順番に意味はないのだが,日本大通りで元町寄りからの気持ちで.

というのもそごうは時間が8時までOKなのに対し,他は5時までが多いため.

寝坊なので10時おきで横浜入りは1時くらいだった.

 

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館内は原則として撮影禁止で,上記のイベントのみ可とのこと.

開港資料館の名前の通り,ペリーなど近代のコンテンツが中心.

ただ後に訪れた県立でも同様の展示が撮影可能で見られる.

 

そのため写真の企画展の独自性が今回は際立っていた.

イギリスの外交戦略の歴史は二枚舌とも揶揄される.

しかしアヘン戦争で中国を緩衝材として,日本の外交戦略の時間的余裕があったからこそ,日英同盟に漕ぎ着けられた地政学的な考察も捗りそうな様子だった.

 

日英同盟といえば,仮想的のロシアだ.

ロシアは不凍港として函館,長崎も狙っていたようだ.

この構図は今ほど露骨でないにしても,米軍の沖縄とも似ていると感じる.

 

イギリス側も配慮していたのか,ロシアの蝦夷地の懸念をスターリングが漢文の書簡に記したようで,資料も展示されていた.

 

軍事的要素は他にもある.

測量船マリナー号だ.

これは中国の海洋進出にも近しいか.

 

 

ここで初知りなことは,他にも多くあった.

ただ単に私が教育課程の都合もあって,歴史に浅いだけなのだが.

まず関内という地名は出島のような外国人のための領域を表すものだったとか.

明治はそうしたお雇いも多く31年には5400人ほどいたようだが,その1/3は中国人だったとか.

確かに中華街などの存在を鑑みれば頷ける.

 

次にローマ字でお馴染みのヘボンは,宣教師かつ医師で,その言語的取り組みは宗教的な動機づけがあったようだ.

 

逆に日本人が見たロンドンは浮世絵に残されており,特にロンドン橋などの橋が構図の中心に捉えられていたようだ.

 

あるいは生麦事件についても...

 

海岸沿い:赤レンガ倉庫ほか

 

一駅だったので天気もよかったので,むしろ暑かったが海風は比較的涼しかった,ここを経由して日本丸へ向かった.

 

ここは上記の資料館でも言及されていたが,輸送船と鉄道の積み込み,積み下ろしのために大規模ヤードがあったそうな.

 

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そういえばその道中,今年開業した例のロープウェイの運転の様子も見られた.

せっかくなので乗ってみてもよかったが,短い距離ながら1000円もするとのことで即却下だった.

この距離なら300円が限度だろう.それでもやや高いと思うが.

 

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日本丸

 

併設された博物館は休館だったが,船内は見学できた.

その船内こそが面白かった.

護衛艦も何隻か見学乗船したことがあるが,当然ながら甲板の装備のみに限られる.

 

日本丸は船内の客室や遠方からながら機関室も見られて面白かった.

比較的モビリティオタクでありながら,そういえば船旅はあまりしたことがないということを思い出した.

社会人で時間的余裕が減った今,難しいが,ぼちぼち船旅はしてみたい.

小笠原方面など.

 

肝心の船内は日本として威信をかけたのか,かなり華美な装飾だった.

またやはり全体的に手狭だった.

特にベッドが小さい印象で,当時は平均身長が短く,十分だったのだろうか.

 

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神奈川県立歴史博物館

 

ここは県立ながら侮ることなかれだった.

旧石器から網羅されている.

以下は当時の狩猟用の落とし穴.

 

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少し残念だったのは中世の要素が弱かったことだ.

全体的にレプリカが多く,それでありながら撮影禁止だった.

この時代の勉強はトーハク一択か.

 

また村八分が”あった”と記述されているが,確かに都市部ではないかもしれないが,田舎はそう言い切れるのだろうか,と思った.

 

後北条も勉強になった.

中学でやっていただろうか..?

というのも戦国大名の地元だったから,展示も特化気味だった.

 

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また上述の通り,近代展示も充実していた.

 

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これらの都市計画的要素が強いものも興味深い.

結局閉館ギリギリになってしまった.

特別展は回りきれなかったが.

 

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共産圏っぽいみなとみらい線の駅.

 

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そごう美術館

 

8月いっぱいまでのゴッホの企画.

最近美術も勉強し直して,印象派の面白さが俄ながら分かってきた.

特にゴッホの筆使いは纏うオーラなどのベクトルのダイナミズムを感じる.

 

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今回のメインテーマは失われた名画の再生といったところ.

上のひまわりは日本にありながら,世界大戦で消失してしまった.

これを藝大の企画により現代技術を以て再生が図られた.

これを(スーパー)クローン文化財と呼称する.

再生の手法は以下のように,油絵特有の表面の凹凸までも再現されている.

 

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浅慮だが油絵の表面の凹凸により,1光源からの見え方の変化も面白い展示がされていた.

これがうまい具合に角度によって反射が変わって非常にキレイだった.

この絵の元の主題である水面の反射とのシナジーも高い.

 

 

またゴッホ以外も展示されていた.

彼と同じ派閥のモネの睡蓮も.

 

あるいはゴッホがアレンジした浮世絵も.

これらもクローン化され,浮世絵は和紙らしさが出ていた.

 

日本の文化財としては法隆寺の内壁もあったが,こちらは寸法が違うせいか,何か違和感があった.

言語化はできないが.

 

さらに浮世絵の動画化,いわばLive2Dもされていた.

これはこれで面白かった.

静的な表現に制限された芸術範囲の拡張と超越の可能性も感じさせる.

 

 

今回の展示は上述のように藝大の力添えがあった.

たまたまそれをトピックとした書籍を読んでいてシナジーが高かった.

普通に面白かった.

非凡な人が面白い.

 

また芸術分野も上述のように興味があり,先端分野は案外研究チックらしい.

ワンチャンこの分野でアカデミックに戻るのも面白そうにも思える.