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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

美術オタクコンピテンシー

藝大の現代キュレーション概論というものを受けている。
美術オタク転じて、である。

2023年度開講授業 現代美術キュレーション概論 | CCS GEIDAI キュレーション教育研究センター

金銭

受講料は社会人は5万円。
高いと見るか安いと見るかは微妙なラインか。
東工大でも社会人向けに経営系の講義は見かけるが、経費精算を見越してか20万円くらいで足元を見ている印象がある。
それに比べると個人で出せる範囲だ。
安価な印象があったためか、早めに枠いっぱいになったっぽい、、?

当然、在学生は無料。
こういうところを見ると羨ましいが、こうやってオンラインで質の高いものが受けられることが暴露されると、大学もやりづらそうなパラドックス感も否めないが。

具体的な形式

形式はZoomで時間が合わない場合はYouTubeで時間限定の非公開リンクもアーカイブもあるので安心だ。顔出しは先生のみ。
チャットツールでインタラクティブな枠があるのもいい。

同窓

上記の通り顔も分からず、話したこともない人達と受けている。
運営側で情報は吸っていて、それが先生から少し漏れているようなところもあるところから察する限り、本職系な現役学芸員とかもいそうでありつつ、私みたいな謎枠もいるらしい。

動機

単にオタクで面白そうというのが比較的単純なところ。
上述の通り安価なのも好材料
また東工大といういわゆる最高学府を経験しつつ、別口のトップの雰囲気を知りたかった。
東大・京大はなんとなく似たような感じがありそうだし。
それからキュレーションというアウトリーチ的なテーマが、変に引きずっているサイエンスコミュニケーション的知見と近いかなあというところもありつつ。
美術館における芸術面がここなら、博物館における科学面はそちらで両輪が揃う感じがしたりして。
全体的に抽象的ではあるんだけれどね。

講義内容

お金を取れるコンテンツなので、当然守秘義務的な感じだ。
ここで知り得た公開リンク、一般知識は援用しても問題なかろう。

現代美術キュレーター 10のギモン – web青い弓
現代美術キュレーター 10のギモン – web青い弓

光州ビエンナーレ

現代美術と題名に付く通り、直近の話が扱われる。
逆に美術史の近代以前は知ってて当たり前な雰囲気があるのは、さすがその手の大学というところで私には補習が必要だ。自習する。
ただ20世紀の様々な歴史と関連させているのは、根拠、納得感、厚みがあって満足感が高い。

リアクションペーパーを出しているので、そこからも援用しよう。

質疑にあった作品とコンテンツの切り分けは面白い。既に同様の指摘は、稲田豊史「映画を早送りで観る人たち」であり、現代の芸術的な作品を消費型のコンテンツと分解している。その意味で社会側からも、消費と鑑賞を意識的に…

安直ながらwahの現場の北本市が現住所の隣町で意外な近接性に驚いた。
現代アート初心者からすると、彼らの知名度は控えめな印象もあり、その専門の人らとは距離がありそうな印象だった。家具などの写真に関連して、ル・コルビジェは有名ながら以後は知名度が劣る印象があるため。

これは正直に言えば、私が最近のいわゆるアーティストに明るくないという告白である。
ル・コルビジェ以後は、本当のメジャーどころ以外は知らず、そこも芸大生は知っていて当たり前だろうという雰囲気で先生も話していたりするので脱帽というか。

あとル・コルビジェを出したのは、個人的な利用可能ヒューリスティック的側面もある。
直近、東工大の教養の枠で知ったロトチェンコに関する書籍を読んでいた。
そこでシンプルながらモダンなル・コルビジェと、ギミック搭載で革新的?なロトチェンコの対比が出たりしていてつい。
この二人はどちらもいい。こういう美意識の矜持あるマイホームを持ちたいものだ。

ビエンナーレの日本館の人事およびテーマは、初知りで面白いと思った。日本の内向的、保守的傾向が表れている印象だ。直近の戦争を考えても、そもそもの境界、外国人という括りが、端からノンポリ的に見るとひどくくだらない。芸術面での先進性の表出が、超国家的アナーキーイデオロギーを示すようにすら感じた。

感想

これまで3回の授業があったが、今のところ満足している。
NPSで言えば9以上。

インタラクティブ性も満足度は高い。
現時点では先生のみとだが、どこかで学生と混合チーム的なディスカッション的なことができると機会の高付加価値に与するだろうか。
ここは色々難しいだろうが。

あとは随時、藝大の図書館で必読書を読むとシナジーは生まれるんだろうなあ。
そういうおすすめリストは大事か。

美術系Vtuber: 儒烏風亭らでん -san

全然関係ないが、無理やり美術つながりで。
Raden Ch. 儒烏風亭らでん ‐ ReGLOSS - YouTube

たまにここで触れている推しのホロライブ。
個人的に彼女は大型新人と言っても遜色ないと思っている。
資格やらと個性、自分の軸の強さがピカイチ。
学芸員資格を持っているらしく、その手に造詣が深いらしい。
待ってましたと言わんばかり。
というか、そういう教養に酒、タバコとおっさん殺し属性過ぎるし、それが刺さる自分自身も結構ヤバいなと自省してみたり。

ここを契機として、ポーラ美術館は行きたい。
仕事をしていて思うが、そう思わせる力もスゴイ。
ただそういう実績をデータとして追いかけるのも大変だが、デジタルアプリのチェックインとかでできたりしたら事務所の評価、ひいては売上創出も大きなプラスだ。

美術館コラボは近い時期に実現しそうな勢いだが、安直なコンテンツに留まらなさそうなのも期待できる。
硬派だったり古典的なのもいいし、逆に彼女自身が自身に近いデジタルコンテンツ系に携わったりするのも面白そう。
あとは手軽にありそうなのは企画にガッツリ関わらずとも、企画展の声優やるとか?