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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

Do you like Shibuya?

渋谷,この街を読者はどのように理解しているだろうか.

こちらは最終投稿日3/29に研究室の帰りがてら,渋谷で夕食を済ませて駅に向かう道中.

緊急事態宣言が開けたとはいえ,かなり人出が多い上,ナンパなどの低俗な人も多く見受けられた.

 

youtu.be

 

と書けば,やはり雑多,汚い,若い,繁雑,喧騒,混沌といったイメージが浮かぶだろうか.

 

ただ街にも様々な見方がある.

スクランブル交差点は日韓のサッカーの試合から馬鹿騒ぎの聖地になったが,それでも,それでこそ観光的資源を手に入れたわけで.

世界的にも絶対的な特異的な町並みで,外国人の注目も高いわけだ.

とりわけ以下の書籍では,建築・都市計画の専門の学生からによる新たな視線が提供される. 

 

SHIBUYA! ハーバード大学院生が10年後の渋谷を考える
 

 

以上のように,私は渋谷に対して,漠然と見下し,悪印象を抱いていたが,これを読んで振り返ってみると,意外とそうでもない,捨てたものでもないなと感じた. 

 

まず渋谷は地理的特徴と文化的特徴の2種に大別できる.

地理的特徴としては,谷底に中心街たる駅が存在し,そこから坂を伴って四方へ道路と街が広がっていくところだ.

この谷によって高低差が自然と生まれ,特異的な立体感が形成される.

代表的なのは地下鉄たる銀座線が最上に位置する点だ.

また他の地域では地下鉄や道路は地下に埋まり,その高低差を視覚的に捉えることは難しい.特に大手町は路線の集積の割という感じだ.あれはあれで秩序的でいいと思うが,渋谷は独自のカオスさが街の景観に面白さを加えている.

他にも首都高渋谷線の主張は激しく,さらにそのすぐ下に歩道橋が位置していたりする.

最近では都市開発が進行したことにより,ビル間の連絡橋も整備され,ますます立体的な有機性と複雑さが増幅されている.

 

次に文化的特徴が挙げられる.

渋谷は東急を中心に都市計画が進められている.

こうしたオフィスが整備される一方で,アングラなカルチャーも近接している.

これらのビルの陰にそうしたものが息づいている.

若者の街として,そうしたストリート系な文化が育まれている.

本書では音楽などが挙げられている.

これらは先の私の印象のように,忌避されがちだが,日本の新たな文化の発信地になっていることも事実である.

そこで本書ではこれらの共存を提案している.

大資本によるきれいな都市の形成による一層は一見美しいが,そこは人工的できっと殺風景な渋谷しか残らないだろうし,大丸有の下位互換にしかならない.

案外,渋谷はリベラルな都市でもある.

こうした多様な人が息づくためだろうか.

都内でのLGBTへの対応も早かった.

そうした多様性こそが明日の新しい渋谷の文化を作ってくれるだろう.

これは意図的に誘導するのではなく,彼らの生活圏への干渉を減らした方がきっと面白い.

そこに管理者としての不便さもあるだろうけれども,それでもなお.

また渋谷は都内でも起業が多い地域である.

坂を少し登った雑居ビルには若い会社が多い.

上記のような寛容で多様な環境が,彼らにいい居心地を与えているのだろう.

単純にアングラで地価・家賃が安いからかもしれないが.

一方で大資本は上層階にオフィスフロアを整備している.

ただ彼らのものは小綺麗で画一的な印象がある.

オフィスは会社ごとに様々な色が出るものだろう.

それを活かせるようなもののほうが望ましいだろう.

どこでもフリーアドレスがいいわけでもあるまいに.

本書はソフトバンクが大コケしたWeWorkが挙げられ,今ではコロナ禍でオフィス市場は激変してしまったが.

 

それからベンチの数の少なさが指摘されていた.

これは外国人が日本の町並みを見たときに指摘されがちだ.

ただこと24区内においては理由が分かりきっている.

ホームレス対策だ.

彼らが居着くことを防止するためにベンチは整備されない.

ただこれはホームレスという公共福祉で行われるべき施策が,都市計画,都市整備にも波及し悪影響していると言える.

同様にボール遊び禁止などの公園の不寛容も挙げられている.

案外,日本は冷たい夜警国家なので短期的には難しいだろうが,リベラル寄りな渋谷からホームレスシェルターなどの整備も期待したい.

LGBTもそうだが,ぶっちゃけこの国の中心たる永田町からの改善はあまり望めないから,動き始めるならこうした各地域からということにならざるを得ないだろう.

 

こうした指摘を通して,渋谷には案外独自の魅力とポテンシャルがあると感じた.

そうして振り返ってみると案外嫌いになれないのが個人の感想だ.

もちろん客引きの多さ,ナンパの多さには辟易してしまうが,これもこの街の魅力として寛容でいるのが人生を楽しむコツだとも思う.

渋谷はこれまで通学に際し乗換に必須だったが,今後も世話になりそうなので,この魅力をともに発信できれば幸いだ.

初仕事

 

端的にまとめるならこれ.

どうしても人数が多いので,色々な人がいるし,想定外のこともあるだろうけど,それにしてもという印象.

これは強者の理論かもしれないが,現代のビジネスに最低限のPCスキルは不可欠なのだから,SPIなどと同様にここでスクリーニングしてもいいように思う.

メーラー設定とか意外と厄介だし.

 

あるいは,その研修をクラス分けすべきだったのではと思う.

 

また,研修担当チームが用いるツールの仕様を把握しきれなかった印象があったのも残念だった.

 

あまり具体的なことは守秘義務もあるので,当然書くわけにはいかないが,今後の社会人生活の不安を予感させる一日だった.

 

ただこれはPCセットアップのシーンでの話であって,入社式でのボスのスピーチなどは非常によかったし,モチベーティブだった.

 

ぶっちゃけ弊社の人材,能力がM字型なのではないかと,初日にして予感している.

このあたりの答え合わせは半年後が楽しみというところか.

あるいは現在でのPCスキルは低めでも,それぞれのポテンシャルによる伸びしろ,成長が著しいかもしれない.

 

ちな社会人になるにあたってのメアドは下記.

takashige.aoki@弊社.com

科学との距離

先日,晴れて東京工業大学修士課程を修了しました.

おめでたい.

ということで科学的なトピックをまとめておきたい.

 

研究成果はやはり書くべきではないだろうということで.

とはいえ修了後も,いわば残業ということで査読が控えているのですが..

ということもあって,ぶっちゃけブログなんて書いている場合でもないけれど,最近ご無沙汰だったし,こういう内容をスルーするわけにも行かないだろうと.

 

この残業はサービス残業的で問題という見方もあるだろう.

しかし個人的には非常に肯定的に捉えている.

というのも,分野のプロである先生に直接的指導を貰える機会は,やはり大変貴重この上ないからだ.至上の喜びといってもいい.辛いことも事実ではあるが.

本来であれば,こうした内容は学費に代表されるように有料だ.

けれども,付き合いということでウィンウィンが保たれるわけだ.

とはいえブラック研究室があるのも事実だろうし,弊社との副業的な面を厳密に精査するとグレーな感じもする..

 

研究関連で言うと,図書館の使用期限たる3月末日に読んだ本で,フィジカルインターネットという物流の本が非常に面白かった.

「フィジカルインターネット」という名称を提案したのはブノア・モントルイユだ。彼は英国の雑誌エコノミストの2006年6月17日号の表紙のタイトルにあったThe Physical Internet(記事は標準的なロジスティクス業務のことを書いていた)に着想を得た。この言葉は、今日の相互につながったITネットワークに似た物理的なネットワークという概念を自然に思い起こさせる。思えば、どちらのネットワークも、元々は多様で互換性のない技術のせいで、相互につながっていなかった。したがってネットワーク事業者同士が通信できるようにするために、違う技術を使う会社とは、特定のインターフェースを構築する必要があった。時間の経過とともに、これらの特殊なインターフェースは成長を阻害するものとみなされ、相互接続を標
準化しようとする機運が高まった。

各社で多層化,重複し,社会全体では非常に不効率な物流の改善策を示している.

インターネットよろしく規格化を図りながら,通信の秘密よろしくプライバシーも守ったりという感じだ.

海運コンテナはその輸送特性上,そうした取組が早くに進んでいると指摘している.

欧州を発端に,自動車輸送の多い北米にも波及し,NATOというか西側諸国がやはりリーダーシップをとっているようだ.

あるいは既存にも良好なシステムそれ自体はあって,例えばパレットや貨物鉄道,飛行機のダイナミックプライシングが挙げられる.

これが失敗した原因を分析するとともに,現代風の改善の模索もある.

もっぱら私の研究とアプローチは違ったものの,目的とするところが非常に近いため面白かった.

実際に研究における環境改善効果も示されていた.

 

 

 

あるいは以下も面白かった.以下のレビューは同感なところもあったが.

 

 

大学と社会を結ぶ科学コミュニケーション

大学と社会を結ぶ科学コミュニケーション

  • 作者:小林 俊哉
  • 発売日: 2019/09/10
  • メディア: 単行本
 

2020年2月29日に日本でレビュー済み

Amazonで購入

 

そもそもの借りようと思った動機は以下だ.

 

pytho.hatenablog.com

pytho.hatenablog.com

 

時間のある春休みを用いて,当時のメモを振り返ろうと思っていたものの,先に述べたような追加作業のほか,積みゲー,積み本も多く,結局できなかったのは,猛省するところだ.

しかし社会人生活も始まってしまい,いよいよ振り返りは難しいか.

まあ本書は面白いとは思ったものの,文体や内容はほぼ論文だった.

また論文っぽいこともあって,各章のまとめや全体のまとめでの内容の重複がくどかった.

ただ

  • ファラデー教室
  • 科学技術基本計画
  • 組織的取り組み
  • 研究機関のアンケート統計クロス分析結果

の紹介は面白かった.

 

 

www.nikkei.com

 

まあともあれ大学院生活は,これまでの学生生活でも突出して有意義だった.

2年目はコロナで色々制限はされてしまったものの.

それなので,機会があれば,またアカデミックに戻りたい気持ちが強い.

そうさせる東工大の現在の教育システムもすごいものとは思う.

 

このまま弊社の配属が希望通りになれば,この分野の造詣を深めるべく,同じ研究室に戻るのも面白そうだ.

そうでなくても,経営系は文系のようで理系だったりするし,どの分野ともシナジーがあって潰しがきくし,やはり社会人の学位といえばMBAみたいな印象もあるので,そういう感じで別のマスターをとるのも面白そうだなあと思ったりしている.

 

そういえば,これ関連では以下も面白かった.

 

「理工系離れ」が経済力を奪う 日経プレミアシリーズ
 

 

本書は東工大や東大理科一類の工学系の学生が不当な扱いを受けているというような書き口で当事者として興味深かった.

確かに文系学生の「卒論しんど笑」みたいなのには,心底腹立たしいので共感も多かった.

さらに本書は文系,特に経済学の先生方をボコボコにしていてスカッとした.

そこまで書くこともあろうかとも思うし,このあたりは読む人を選ぶところだろう.

ただ工学部が不当な扱いを受けているのは事実で,これは生涯賃金にしてもそうだったりするわけだ.

特に専務になれるか.

なんだかんだ文系学部で金に触れている分の差が出るらしい.

 

ただこのあたりは情報が古い感じも否めない.

最近では理系,それこそ高専出身者が経営陣というのも珍しくなくなってきた.

 

今後はこれがジェンダーに広がっていくのだろうか.

ここまできてようやく多様性といえるくらいになるか.

ただ経験問わず,すなわち年齢も,所属(外部監査的な)・経歴(最悪犯罪歴もモノによっては?)も問わなくなるのが,将来的な形のようにも思えるが.

 

in cheese cake in TokyoTech

先日も先日とて図書館へ.

禁帯出というわけではないが大きくて持って帰るのもやや億劫なところもあるので,下記の右の2冊は館内で読んだ.

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巨大建築の美と技術の粋 世界の橋

巨大建築の美と技術の粋 世界の橋

 

 

橋のデザインと構造は構造力学的な工学的な解説もしっかりされており,構造美を見るにも非常に有用な図書だった.

ザコンに取り組んでいた頃に読みたかったところだ.

 

pytho.hatenablog.com

 

調べてみたところ群馬高専にも蔵書されているようだ.

この頃はまったく本を読まなかったので惜しい.

この機会についでに知ったがScience Directのライセンスもあるようだ.

専攻科まで考えればある方が妥当だが.

高専は特に本科やはり研究というよりかは即戦力の育成に注力しているのが惜しいように思う.

教えてくれればよかったのに.

 

話を本に戻す.

滋賀の美保美術館の歩道橋は周囲の自然の景観も相まって非常に綺麗そうなので,是非訪れてみたい.

少し調べたところ土木学会のデザイン賞の受賞経験もあるとか.

MIHO MUSEUM | I.M.Pei 設計の美術館。古代エジプト,ギリシャ・ローマ,アジア等世界の優品と日本美術の優品を展示

 

自然に囲まれるだけあってアクセスは最寄り駅からバス約1時間なのが欠点か.

 

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一方の世界の橋の方は大判の写真が中心で解説もあっさりだ.

この辺りは人の好みによるだろう.

橋は宗教や民間伝承にも登場する。仏教では公共の橋の建設が、仏閣の建立に次いで2番目の偉業とされる。 

 

盧溝橋 Lugou Bridge 中国 北京近郊
1189年に建設が始まり、3年後の1192年に完成した。全長226.5mのこの盧溝橋は、硬い花商岩でできており、10本の橋脚で支えられている。雪解け 水で永定河が増水する時季に強い流れに耐えられるように、ひいては北京に通じる道が安全に保たれるように頑丈に造られた橋だ。「マルコ・ポーロ橋」とも呼ばれる。ヴェネチアの旅行家マルコ・ポーロは1289 年、「この橋に匹敵する橋はおそらく世界のどこにもないだろう」と評している。がっしりした欄干には台座があり、合計で485体の獅子の彫像が飾られている。

盧溝橋事件としての事件現場の知識しか知らなかった.

歴史的要衝であるとともに橋自体にも構造的な美しさがあるとなると,これはもう訪れてみるしかない.

もっとも日本人が訪れるのは危ないかもしれないが.

 

 

以下は借りていたもので今日ついでに返却した.

まずフーコー

哲学関連の知るきっかけはアニメのPsycho-passからで,倫理の授業の哲学も割と好きだった.

 

 

本書は入門向けとして書かれているらしい.

筆者はちくまから中上級者向けの書物も同時期に出版したらしい.

 

本書はフーコーの出版ごとに時代を追って紹介している.

可視と不可視に関する洞察は非常に興味深かった.

今日の科学では種々の現象の裏の物理・化学法則が解明され,それを当然に享受して生活している.

本書にある話としては病気の本質を探る学術の経緯が示される.

病気に対し従属的に症状が表れることは今日では疑うことがない.

しかし歴史的に見れば,そこに至るまでの見方の変化が面白い.

簡略化すれば,解剖学が発展していくことにより,体内での不調,病気があって,症状が表れることが認識されるに至ったわけだ.

これに従って外科手術も発展していくわけだ.

それまでは物事を表層でしか見れず,本質的深層・真相に迫る動機もなかったわけだ.

 

また不可視があることにより人間の不完全性,有限性も説明できる.

神が無限で絶対的なものと対立的で,このあたりは無知の知にも似ているし,ニーチェとの近接性も筆者は指摘する.

真理やら無限といえば,Fateシリーズや呪術も関連付けた考察もできるかもしれないし,一部の同人やSS界隈はやっているのかなあと夢想したり.

 

こうしたフーコーの考察においては,過去の文献などが参照されるわけだが,その中で文学や芸術を用いることもあったようだ.

守備範囲の広さに感心,感服した.

例えばラス・メニーナスにおいて,これまで歴史的には描かれてこなかった画家らが描かれていることが挙げられている.

言語、自然、富に対して記号を与えつつそこに秩序をもたらそうという、以上のような企てにおいて、問題となっていたのは常に、表象に与えられたものから出発してそれを分析することであった。つまり、古典主義時代の思考は常に表象空間の内部において展開されていたということであり、そうした思考にとって、表象の「外」は存在しなかったのである。

なお、フーコーは、そのようなものとしての古典主義時代の表象空間を見事に描き出している絵画作品として、ベラスケスの『ラス・メニーナス』を挙げている。

このバロック美術の巨匠による一六五六年の作品には、中央の幼い王女、それを取り囲む侍女や廷臣たち、画面左側で絵画を制作中の画家、後方の鏡に映し出された国王夫妻、その隣にある扉の入り口からその情景を見ている闘入者といった、さまざまな人物像がひしめいている。そうした形象の一つひとつを、絵の構成と関連づけながら言葉によって丁寧に辿った後で、フーコーがとりわけ注目するのは、絵画の外に身を置いて絵画を可能にしているはずの三人の人物が、ことごとく絵画空間の内部に招き入れられているということである。

 

学芸は奥深さが底なしなのが面白い.

以下のような人が友人にいれば人生は非常に豊かになるし,それを公共化している今日の文化教育制度も素晴らしいと思い直す.

 

www.youtube.com

 

pytho.hatenablog.com

 

フーコーの晩年は社会的な権力闘争の影響もあってか,言説と権力にシフトしていったようだ.

引用でも雰囲気は伝わったかもしれないが,哲学系なだけあってか文章は難解で理解しきれたか自信はない.

個人的にこのテーマで連想したのは,言説を規制する中国共産党の権力体制だ.

あるいはそこで性についても語られたりしている.

 

 

さらに様々なワークショップWS(タグに詳しい)に参加してきたので,実例をまとめたものも読んでみた.

 

ワークショップでつくる防災戦略

ワークショップでつくる防災戦略

  • 作者:田村圭子
  • 発売日: 2015/12/08
  • メディア: 単行本
 

 

本書はWSのファシリテータ向けにまとめられ,運営のポイントが実例とともに記されている.
ロジカルなど丁寧に説明される.

 

本書に記され興味深いのはブレインストーミング禁止を明記している点だ.

これは個人的にはモノによるのではないかなと思う.

イデアの発散・収束はこうした思考法においてしばしば重要とされるためだ.

また参加者のプレゼン禁止も記されている.

ふせんを用いて平等に可視化したアイデアを共有することを勧めている.

裏方,黒子としてその他の材料の準備についてもまとめられている.

 

第2部は特に事例紹介がされていたが,印象としては冗長的で単調だった.

JR西や国交省の話題も興味深くはあるが.

 

 

コロナを受けてか貸し出しが3月いっぱいまで延長されたので使い潰したい.

差別

陳腐な言い方だが世の中の劣化を感じる.

特にここのところ差別問題が再燃している.

森前会長の失言に続き,同様の組織の佐々木氏の今回のオリンピッグ発言.

本質的な組織改革が行われていないのは明らかだ.

 

女性比率を増やしたり表面的な対策は行えているものの,上層部のマインドなどの遵守意識の甘さが明るみに出た.

おじさんだと昭和的な価値観に縛られハラスメントやコンプライアンス遵守意識が低いとも考えられるが,同年代である学生時代の先生方はいずれもそういった配慮を過剰なほど気にかけていた.

特にパワハラ,セクハラにやや遅れる形でアカハラ問題も顕在化したためだろう.

ただ両者に大きな差はないはずで,サイエンスよりむしろ直接金の絡むビジネスの方が危なそうなものなのに,この差は何なのだろうか.

 

今回の繰り返しの問題で日本の旧態依然とした価値観の恥を世界に晒すことになってしまった.

ただ世界的にもまた差別問題が表れているように見える.

 

イギリス王室内でもアフリカに対する差別意識が明らかになったし,アメリカは度々黒人差別が起こるが加えてニューヨークでアジアへのヘイトクライムで事件が起きた.

バイデン政権でリベラルが加速するかとも思ったが,問題はそう簡単ではなさそうだ.

中国はもっとひどいが.

 

 

あるいは露骨でないジェンダーバイアスも怖い.

 

 

一次ソースは以下になるが,確かに見たところ同様の印象を受ける.

三菱地所|業務職|採用サイト

 

下品な言い方をすれば,東京カレンダー,正規の総合職男性社員のマッチング斡旋システムに見える.

募集要項も仕事の要件というより,「嫁」の条件な印象だ.

三菱地所が強みとする大丸有エリアといえば,丸の内OLの中心地で,その地主たる地所はマウンティングパワーも相当なものだ.

 

引用にもあるように若い女性(性は明記されていない)に限定する正当性はなんだろうか.

バックオフィスの仕事であれば,同様の業務経験があれば,高卒などでも務めうるだろう.

能率を考えれば,ベテランのおばさんの方が強い.

おばさん(おじさんもだが)が排除されている以上,お茶汲み係よりも悪質かもしれない.

 

性に関しては記述がなく,逆に女性総合職と男性業務職というカップリングも実際にはあるかもしれない.

しかしHPを見る限り,その要素が完全に封殺されているのも不健全だ.

平文では年齢規定,学歴規定以外はまともだが,HPの対談が書き換えられるといい.

例えば女性の総合職と業務職の対談を記して「お嫁さん」感をなくしたり,いないかもしれないが男性業務職についてを記したり.

 

書いていて思ったのは,女性が弱い立場に置かれがちな社会バイアスに加えて,男性にも立派な職,もっと言えばパートナーよりも優位にあるべきという保守的なバイアスが依然として非常に強いと感じる.

これは今回の問題で改めて顕在化したわけだが,社会全体の課題だろう.

さらにこうした点は冒頭の海外の差別問題よりも,日本がより深刻とするものと考える.

 

あるいは男性の低所得者は肉体労働というものもある.

それに対する女性は非力だから上記のバックオフィスなどに分類されがちだ.

非力な男もいるし,強い女もいる.

そういった単純な男女比でなく,そういった本質的な多様性への転換に期待したい.

 

 

かくいう私も就活当初はデベロッパー志望で第一志望群の会社に入っていた.

もちろん業務職や子会社ではなく親会社総合職で.

落ちたけど.

ただこのオブラートにも包まれた露骨な要項を見ると,仮に就活を繰り返すにしても応募する気にはなれない.

換言するとノリが体育会なところが溢れてしまっている感じだろうか.

まあぶっちゃけ非モテな私としても若干羨ましいのも本音だが.

 

 

付記すると意図的に嫁という表現を用いたが,これも実は結構危うい.

正しくは妻だ.

こうした落とし穴は意外と多いので注意深く生活していく必要がある.

細かくてねちっこいポリコレの毒牙な印象もあるが,結局差別にしろこうした努力の積み重ねで微修正していくほかないのが実際なのではないかと思う所存だ.

 

 

こういう問題は色々意見がある.

かわいい人にかわいいと言うのは、僕としては結構ありえない|安原健太|note

これは一見至極まともだが,SNSではマニピュレータの疑惑もあるようで真実は不明だが空恐ろしい.

 

 

さらに厄介なことにこうした問題は意外と身近な場面にも多い.

 

 

上記が真だとしたら問題は非常に邪悪だ.

まずルナルナからイコールで,性行為を暗示して彼氏に繋げられる思考回路が共有されている社会自体に反吐が出る.

ただ性教育の未熟さの責任も大きいだろう.

こうした無理解が本人を陰ながら傷つけてしまう場面は思いの外多いだろう.

ゆえに些細な発言もあまり油断できない.

無知による差別といえば,日テレのアイヌ問題があったばかりだ.

 

こういうことをされると,大きいククリとしてのファンコミュニティとして毀損を受けるのも不愉快だ.

そのあたりは撮り鉄界隈なども古くからあるか.

 

 

オフィシャルにしろプライベートにしろ立場を問わず気遣い,注意深さがより求められる.