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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

Tableau Viz Published

冒頭編としつつ実質的に同時進行でパブリック課題を進めていた。
今回はこれの実務的なところに絡めつつ、Tableauの機能紹介的なものとしたい。

目次

 

公示地価

 

まずは公示地価についてのViz。
むしろこれがやや邪道な内容になっている。
普通であれば表形式のcsv、せめてxlsxから入るのが普通だろう。
それに対し、対象としたのはGeojsonだ。
ジオメトリが肝でこれを直感的に地図に落とし込めるのが非常に便利だった。
あまりこの拡張子に詳しくないが、この位置情報に加え、まさしく公示地価の価格情報や都市計画に関する分類も内包されており、非常に使い勝手が良い。

 

 

背景

そもそもなぜこの題材を選んだのか言えば、都市計画専攻出身だからだ。
そこでインサイトが得やすく、図化もしやすそうで、一般的なものから選んだ。
とはいえ、公示地価は日経で銀座が題材に挙げられたのを少し耳にしたくらいにすぎない。
その知識に基づけば、銀座をはじめとした23区の高さに驚くほかない。

 

専門考察

ただVizを作るのも楽しいし、その技術的背景はData Saberプログラムの趣旨にも非常に合うところであろう。
しかしTableauを使いData Drivenである以上、ある程度考察をするのが仁義であり礼儀であろう。
そこでこの作ったVizからもう少し深めな考察をしてみる。

まず前述もしたとおり、地価というか経済活動というものの振れ幅が大きすぎて、対数軸が無難に思える。
直感には反するが仕方ない。データを見る上で、統計やこうした基礎知識はますます求められるだろう。
会社で箱ひげ図をしばしば作るものの、往々にして上長らに理解を得られないのも苦しいところだ。
ゆえにこそ技術系の社内転職を検討したりするのだ。

また地価そのものではなく、都市計画決定も興味深い。
公示地価の選定地域の都合もあるだろうが、大阪と愛知は非線引地域がない。
すなわちしっかり計画区域か調整区域に区分けされているわけだ。
東京が意外なところもあるが、離島があるので仕方ない。こうして考えると、離島は大きさにも依るだろうがどうしているのか興味深いところもある。

 

東電管内実績

 

次に東電管内の実績値のViz。
元データは非常にシンプルな3列程度のデータだ。
ソフト上においても配列に入れ込めるレベルだ。
1時間毎の実績が入っている。
ただ正規化された時間の使い勝手がまたいい。
Tableauにおいてはその表示粒度を右クリックから簡単に変更できる。
これを軸の表示系のみならず、フィルターの条件に加えることもできる。
ゆえに例えば夜間のみのベースロードの動きを追うのも極めて簡単である。

 

 

優位性

こうしたことはPythonなどの各種プログラミング言語でもできるが、日付系の型は変数に当てはめ直すのが案外厄介だったりする。
この点はかなり有利な点と言えるだろう。

余談だが会社のデータ整理でDateTimeだかなんだかで苦しめられた嫌な思い出がある。
Excelですら日付型は表示形式設定の都合でグダったりすることもしばしばだ。。
もっとも硬派なデータサイエンティストは型から定義したいし、それこそプロだろうとは思う。なんちゃっての意見だ。

 

SQL

内部的にというか外部接続的にTableauはSQLをベースにしている。
そのためデータベースの形式さえ整っていれば、その結合も簡単だ。
JoinもUnionもブレンディングも簡単にできる。
速度はオンプレ、クラウド、ローカルなどの環境によりけりではあるそうだ。

 

Future Work

もっとも面倒なので、今回は2年分のデータしか使っていない。
ただ東電の資料もさらに数年あるので、これをさらにくっつけて一定期間でサマライズして前年比等を出すのもTableauの得意とするところだ。
また時間でJoin onして気象データやエネルギーの先物価格と比較することもできよう。
いずれも横着したが。

 

ポケモン

 

今回、最後はポケモン種族値のViz。
これは完全に趣味の延長だ。題材としては擦られまくってそうな気もするが。
知らない人に簡単に説明すれば、ポケモンごとの強さの基準値のようなものだ。
ゼニガメからカメックスに進化して強くなるのも、ピカチュウよりミュウツーが強いのも主にこの影響だ。

 

 

応用

今回はやや応用的にパラメータを計算フィールドに関連させて動的にさせてみた。
これ自体はやり方のフレームワークがTableauとしてあるので、それほど目新しいものではなく、どう使うかの応用の問題だ。
一般的には図表の軸は固定だが、各変数のクロス・相関を確認したいときに有効だ。

以前のネットフリックス分析の記事で薄々気づいていたが、HTML形式で簡単に別のWebページにVizの特徴を保持して共有できるのが非常に優秀だ。

 

vs. Python: Pandas, Seaborn: 相関行列

一覧性においては相関行列やPairPlotに軍配が上がるだろう。
だが今回はパラメータが6個しかないし、様々な切り口で動的にあったほうが面白いと考えた。
具体的にはフィルターに用意した通り、タイプや世代での切り分けだ。

 

JointPlot

ツイートの通り、今回は全体的にPython Seabornに寄せるのも意識している。
Jointを例示すると以下の通りで、ただの散布図のみならず、そのヒストグラムも表示できる。
2つの変数の特徴を一括で把握できるのは都合がいい。
そこをTableauでアレンジして真似てみた。
具体的にはダッシュボードでただの散布図の軸に対応して、ヒストグラムもどきをくっつけた。
都合、散布図の対角に空きが生まれるので、そこを操作パネル的に活用することとした。

 

なし崩し的にまとめ

ただ作るだけならぶっちゃけSeaBornの方が便利だ。ただ上記の問題点として操作による深掘りができず、やろうとしてもプログラミング知識のある人がJupyter notebookでやるくらいのものだろう。
また特にPairPlotは不要な情報も多い。こうした点を一元的に整理して扱える点が強みだ。
ここも前述の通り真のプロのデータサイエンティストが分析するのか、組織的にフィードバックがあるのかといった環境により良し悪しとなるだろう。
前者は外注で多いだろう。組織内でデータドリブンを育むにあたっては、Tableauは優れたツールだろう。

 

また今回、公開するにも関わらず、一部の軸の名前等がやや適当なままだ。本来であれば細部に気を配るべきなのだが、細かい修正をするなら他のデータを入れ込んだりしてみたいのでご容赦いただきたい。

 

補足:前回資料

pytho.hatenablog.com

 

Exploring Data Set for Tableau Public

はじめに

 

ややネガティブな発言からにはなるが、背景としては上記の通り。

社内のネットワークを起点とした、普遍的なTableauの研修中。

 

概要

DATA Saber - Journey of Expanding Data Intelligence

 

本研修の概要等は上記に詳しい。

詳細はそちらに譲るとして、自分なりに養子をまとめるなら、、

要はTableauの勉強会であり、マーケティング施策の1つである。

 

そこで用意されたデータセットをお題に沿って可視化するものと、自身で新たなデータの可視化を提案する課題に二分される。要は先述の前者と後者に該当する。

前者は先駆者も多くおり、自分自身で試行錯誤する比率が高いので、ここでの取り扱いは軽くする。

www.youtube.com

 

そこで後者を集中的に取り扱う。これはコミュニティポイントという独自施策の課題として明文化されている。

Tableau関連のブログ記事の投稿    Tableauに関連するブログ記事を書き、そのURLをTwitterでシェアする。    10pt / 4週間以内に3回投稿

 

ところで上記のような動画もVlog的にカウント対象なのだろうか。

 

個人の目的

せっかくの初回なので、技術的なことは軽めにファンダメンタルズ的なことに今回は比重を置きたい。

ここでブログとして最も重要とも思えるのは、個人の目的、考えではないだろうか。

単刀直入にぶっちゃけてしまえば、汎用性のあるスキルを得るためだ。終身雇用も崩壊しつつある今、普遍的なスキルを磨く重要性は高い。

そこで国に認められた一般的な資格などを有する機運は高まっていると思う。せっかくなのでそれぞれの長所短所をまとめてみたい。

Data Saberの利点:資格の欠点

  • 応用性:直ちに現場へ還元できる
  • 独自のコミュニティが整備されている
  • 特に弊社の他業種との人脈機会にも:役員発表機会もあるとか?
  • 完走できずとも価値が担保されやすい
  • 物珍しい

資格の利点:Data Saberの欠点

  • 履歴書に書きやすい:普遍性が高い
  • 結果主義:0 or 1
  • Data SaberやTableauの知名度
  • Tableauのライセンス料:これは会社負担でむしろ個人的には得

 

とはいえ、折を見て3年以内くらいを目標に基本情報は取りたい。

 

方法

gaaaon.jp

 

引用の通りブログが手法に提示されているものの、その内容はかなり自由らしい。

正直書き手としてもどこまでがカウント対象なのか難しいところではある。

ひとまずそこそこの読み応えは担保したく思うが。

とはいえ、Tableauについて知らない人も多いだろうし、Data Saberという施策はさらにだ。そのため第1回はあまり深い内容には入り込めないだろう。

 

前置きは以上にして、具体的に何をするかだ。

基本的にVizをまとめ、その手法を記載し、せっかくなのでその考察も記載するといったところか。

しかし大前提のデータの入手が案外難しい。

データは21世紀の石油とも言われ、安価、とりわけ無料というものも限られる。仮に購入してもそれを世間一般に公開できるかも別問題だ。

 

分析対象

そのためまずは手軽な国勢調査等の統計データを扱いたいと思う。

同様のことは大学の研究における、研究背景の視覚化にも行っていたので、とっつきやすくもある。

 

あるいはせっかくなので社会的要請が比較的高いトピックも選んでみたい。

例えばジェンダーバイアスとか。

 

仮説として地方ほど保守的そうなので、この地方さもうまい具合に定義させつつ、相関とかを追ってみたい。

産業構造、女性の社会進出、出生率、最終学歴、上京:人口移動とか色々な切り分け方がある。

www.e-stat.go.jp

www.e-stat.go.jp

 

ただ、試験的に色々データを入れて試してみたところ、以下のようなエラーも出てしまったりしたので、やはり元データの形式や特徴を把握しつつ、うまく整形しながら分析する必要がありそうだ。

政府統計のファイルの厄介な特徴として、都道府県欄に横幅調整の謎の空白があったり、セル結合されていたり、おかしなサマライズがあるのは、そこでざっくり見ていての不満になる。特に前者については、気にすることのほどでないし、セルの書式調整で対応して欲しい。DB形式もあるのがせめてもの救いとも言えるが、この環境ではデジタルトランスフォーメーション等も前途多難だ。

 

その他:分析対象候補等:バックグラウンドを活かすためにも土木系多め

日本の水力エネルギー量|資源エネルギー庁

全国道路施設点検データベース ~ 損傷マップ ~

Twitter可視化システムを作ってみたら日本に笑顔が溢れていた話 - NTT Communications Engineers' Blog

小売物価統計調査 小売物価統計調査(構造編) 年次 2021年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

https://www.tepco.co.jp/forecast/html/images/juyo-2021.csv

鉄道遅延情報のjson

GitHub - MuseumofModernArt/collection: The Museum of Modern Art (MoMA) collection data

Pokemon with stats | Kaggle

リバタリアニズム

本を読んだものの感想をまとめられていないものが膨大に溜まってきたので一部だけでもまとめたい。

直近には参院選があるので、まずは政治系から、ことさら今回読んだものに最も感銘を受けたという個人的な要因も大きい。

 

偉大なるアダム・スミスが、自由主義と社会の法則とを結びつけた。彼はいう。
「誰もが自由に生きれば、市場の”見えざる手”によってすべてのひとが幸福になるであろう」
 そのために必要なルールは、たった三つしかない。


①自己所有と私有財産の権利は不可侵である(自己所有権私有財産権)
②正当な所有者の合意を得ずに財産を取得することはできない(暴力の禁止)
③正当な所有者との合意によって取得した財産は正当な私有財産である(交換と譲渡のルール)

ウォルター・ブロック (著)、橘 玲 (訳)『不道徳な経済学 転売屋は社会に役立つ』 (ハヤカワ文庫 NF)

 

著者(訳者も?)は自由至上主義リバタリアンだ。モダンなイデオロギーとしてリベラルもあるが、経済的なポピュリズム、理想と現実の背反といった部分で立場が異なる。

改めて説明するまでもないかもだが、リバタリアンは自由を重んじ、リベラルは自由も重んじるものの平等的な側面も重視する。社会保障、福祉の面で特に外国では顕著に思える。リベラルといえば白人富裕層の欺瞞的な雰囲気もあり、オルタナ右翼を筆頭とするトランプ陣営にプライドをへし折られたような印象だ。

リバタリアンはリベラルの偽善的な部分を嘲笑する雰囲気もある。また自由市場を重んじる過程でアナーキー的でもある。この点は日本の特に若者のノンポリ的雰囲気とのシナジーもあるように思う。

以前はリベラルな部分に賛同的だったが、本書でリバタリアンに鞍替えした。前述の通り欺瞞的で自己犠牲的な気持ち悪さもあったからだ。

 

As Is

pytho.hatenablog.com

 

To Be

価値観診断テスト結果|山猫総合研究所

 

また再度テストを受ける過程で、面白い記事も見つけた。やや古いものの現在の政治状況の分析、考察にも資するだろうか。

「日本人の価値観が4象限に散らばっている理由とは?」 | News - 連載・寄稿 - 山猫総合研究所 – 三浦瑠麗

 

ただリバタリアンアナーキーな雰囲気もあって、このイデオローグでどこに投票しようかというのはまた別で難しい。革新派=リベラルで原理に違いがあるものの、改憲議論では護憲派として一強多弱ながら類似しているのも気持ち悪い。

上記のリンクの4象限で考えれば、保守が自民、ポピュリズムが維新や小泉政権などの自民の一部、リベラルがその他野党と雑に考えたとき、リバタリアンは空白だ。

ともすれば党戦略として、ここはブルーオーシャンにも思える。もちろん上記の分析は比較的感度の高い人を相手にしたので、現実には惰性の保守派とバラマキなどに釣られたポピュリズムが多いようには思う。しかし野党の停滞したリベラルに留まらない与党への挟撃の手段足り得るだろう。

 

かなり政治に話がズレてしまったので、題名にもある経済についても述べておこう。

同様に自由至上主義を通じた経済市場を重んじる。正直アメリカ、シリコンバレーの勢いを見れば、この潮流に乗らざるを得ないのが現在の勝ち筋トレンドではないだろうか。乗れなかった内省を直近の別の本で見た。

立川の硬直的な経営でドコモは、KDDI(au)に通話料の値下げ競争や「着うた」サービ スで後れを取り、Jフォンが写メールを大ヒットさせても、カメラ付き携帯電話に本気で取り組むまで時間がかかった。

立川は「iモードの技術がいらないという会社があったら、お目にかかりたい」と豪語し、各国の通信会社に次々と出資。その投資総額は2兆円に及んだ。だが公社体質に戻ったドコモの殿様商売が海外で通用するはずもなく、「iモード」は世界に根付かなかった。結局ドコモの海外展開は、1兆5000億円の損失を出して「打ち止め」になる。

ドコモの失敗で、iモード対応の携帯電話を海外で売ろうと意気込んでいた電電ファミリーも総崩れになる。2007年にアップルの「iPhone」が出た後も、電電ファミリーはドコモに義理立てして「ガラケー(旧式の携帯電話)」に固執したため、スマホへの対応が遅れた。これが致命傷となり、日本メーカーの携帯電話は世界市場で完敗することになる。

真藤が改革を完遂してNTTやドコモがまともな民間企業になっていたら、iモードの世界展開はまったく違う形になっていたはずだ。iモードが世界標準になれば、今ごろ、日本メーカーがファーウェイを押しのけて世界市場を席巻していたかもしれない。

起業の天才! - 江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男 - 大西 康之

 

非自由市場の温室の弊害と機会損失が非常に具体的に記載される。同様の雰囲気は準公務員的な会社の就活でもひしひしと感じた。もちろん過剰な自由を重んじて産業や安全が軽んじられるのはまずいので、セーフティネットとして政府の保障や制限は必要だろう。しかし健全な市場のためにも最低限に留めるべきで、神の見えざる手を信じるべきだろう。杜撰な会社は株価下落や顧客離れを必ずや招くはずだ。

ESG投資も類似する。法的に強制するのではなく、漸進的に経済市場に任せるべきだ。

 

pytho.hatenablog.com

 

そしてこのコンテクストにおいて、直近の総務省の動きは過剰だ。詳しくは下記にも述べた。

 

pytho.hatenablog.com

 

検討の方向性(案)について(いわゆる「転売ヤー」対策について)
令和4年6月7日
総務省 事務局

https://www.soumu.go.jp/main_content/000818330.pdf

 

さらに脱線した話を戻すと、本書は転売も取り上げる。転売は需要曲線を是正するから、むしろ市場にプラスとまとめる。Exactlyだ。小売業の損失だとか、消費者負担の増加、そもそも転売ヤー不労所得的に稼げることへの僻みが主たる反対意見だろうか。しかしこうした意見は基本的に冒頭に述べた3原則を侵害しない。ゆえに容認される。

小売業の損失?稼ぎ時なら稼げば良い。私たちが皆そうした市場環境に身をおいているのは誰もが承知のことだ。飛行機は需供に従うダイナミックプライシングがある。情報が高速化したのだから、産業構造も変革すべきだろう。

消費者の負担ほどおかしな意見もない。欲しいのなら高い金を払うのは経済学の原則だ。転売を禁止すると、人気コンサートの是非は完全に運になってしまう。経済市場の敗北だ。金の方がまだ救いがある。高額で出せないなら、それは主催者が悪いのではなく、金を用意できないあなた自身が悪い。そういう社会なのだから仕方ない。2流アーティストか追加公演かクレカの追加枠でも頼るしかないだろう。むしろ健全なルールを整える意味において、こちらの方がやはり妥当ではないだろうか。

転売屋の不労所得も一面的にしか捉えられていない。転売屋も市場を完全に読めるわけではないから、在庫リスクなどを抱えており、この点は既存の小売業と大差ない。むしろ市場の調整役として機能していると本書は説く。ただし専らこの利益を脱税する点についは私も容認しがたい。これは個人化しつつある性産業でも同様だ。

とはいえ、筆者は税についても理不尽な政府による経済的暴力として容認しがたい姿勢をとる。アナーキーだ。これは個人的には過激に思える。確かに小さな政府として減税していくべきとは思うが、公共施設の維持管理などの最低限の社会資本整備としての税、財源は必要だ。ただし税本来の再分配の役割は、最小化してもいいだろう。なんだかんだサッチャリズムを否定しきれない、むしろ迎合気味な自分がいる。

 

転売屋をもう少し深掘りしよう。特にやり玉に挙げられるのは、メルカリへの出品だ。もちろん不法な手段、暴力で入手した商品を扱うのは不適切だ。例えば熟す寸前の果物の盗品。しかしそれ以外で取引が成立したなら、需供が是正したわけで経済的にプラスだ。取引に立ち会わない部外者はつべこべ言うべきでない。

そういう意味で下記の施策は先進的だったものの、先進的にすぎて世論の理解を得られなかったのも非常に残念だった。しかし現在では炎上、インプレッションという指標により、非金銭的な経済インセンティブも働き、市場が一層複雑化しているとも言える。

 

 

さて、またスマホ転売に話を戻してみよう。

下記の通り、市場関係者も現状に課題を感じているのは総務省と同様だ。消費者も概ね賛同だろう。

[ドコモ井伊社長が語る「スマホ1円販売」と転売問題の原因と対策] - ケータイ Watch

であれば、官僚が出向かずとも、漸進的に是正が進むはずだ。確かに各キャリアがそれぞれに行いゲーム市場的に難しい現状なのは確かであるが、やせ我慢対決なのでいずれ資本的にも限界が来る。そこまで待たずとも、株主や販売現場から指摘が入るはずだ。そこでの自由市場での工夫によって、十分に乗り越えられるはずの課題である。ゆえに政治の過剰介入は望ましくない。

むしろ急進的な介入は、再度どこかに禍根を残すだろう。市場のインセンティブ外からの外力は全体の構造を歪める蓋然性が高い。場当たり的な可能性も高い。現にかつての2万円制限が尾を引き続けている側面もある。そのルールが守れているかは本来的には不問で、適正価格や割引体系かを見るべきだ。このあたりのセンスはやはり市場のセンスに問うべきだ。

 

最後に本書の特徴をまとめておこう。

本書は訳書であるものの、現代日本にあわせてかなり改版されている。これは訳者も自身の仕事を超訳と揶揄するほどだ。ただ、だからこそ身近で読みやすい内容になっている。これを受けて私自身も最新の経済・政治動向と照らし合わせてみたところもある。

個人の作業の自由が過剰なまでに重んじられて、むしろリスペクトすらあるのがまたリバタリアン的だ。

 

本当は数冊を取り上げる予定だったが、別の引用を挟みはしたものの、最初の1冊の記述が濃すぎてしまったので、続きはまた次回にしたい。

BRAVO

6/11 Sat.

新国立劇場でバレエのアリスを観劇。

ちなみにこれまでの新国立劇場の観劇記録は以下。

 

pytho.hatenablog.com

 

これまでは図らずもオペラばかりだった。

今回はバレエ。バレエは冬季に各地で行われるくるみ割り人形に行きたかったが、行けておらず今回が初めてだった。

 

 

直前に判明したらしいが、私の見た昼公演は助演?女優の本島さんの最後公演だった。

図らずも感動的な場面に立ち会えた。

圧巻の演技だったし、カーテンコールも鳴り止まなくて凄かった。

赤の女王の配下のトランプの端役の人が、ロールプレイでビビりながら花束贈呈しているのがよかった。返しとして首はねを示唆する動作で応じたのもさすがプロといったところだった。

 

肝心のバレエについても美しかった。

主演女優のアリスのソロが中心的な第一部から、不思議な雰囲気で短めの第二部を経て、大団円となる赤の女王の城での一同集合。

この構成も面白かった。

 

バレエ的な動きの要素は、割りとフィギュアスケートが馴染み深い。一方、氷上との物理的環境の違いによる技術的進化分岐も面白い。

 

pytho.hatenablog.com

 

 

他にも結構細かいところが凝っていて、最終章の城を筆頭にした舞台設定はもちろん、冒頭のアリスの体が巨大化するシーンでの錯視とプロジェクションマッピングの応用表現、記号を模したスカートのバレリーナの衣装もよかった。

ここの模型や使用状況の解説や無料のブックレットもよかった。まあ5000円までなら出してたかも。それくらい心酔していた。

 

あるいは冒頭の赤の女王の車もややディズニーのパレードを彷彿とさせるようで、バレエの域に留まらないようでいて、妥当に面白く工夫しようとしているところもよかった。

これにより赤の女王は冒頭行動が上半身での表現に制限されるが、これが却って後半でのイキイキとした動きを際立たせる。

 

類似してマッドハンターのタップダンスも同列に挙げられるか。最近では市民権を得たが公演当初は賛否があったかもしれない。こういう文化的に積極的なところは個人的に好印象だ。今後も新たなインポートに期待したい。陳皮ながらありそうなのだとARとかか?

ちなみにマッドハンターについては、これ以降の公演でロイヤルバレー団からの招聘が参加とのことでできることならそこを狙いたかったが、予約が遅く既に全席完売していた。。感動的な退団の機会に預かりしれたので、結果はオーライ。

 

最後にこれは無理に言及することもないが、音楽はまずまずだった。もちろん生演奏でそれ自体は高水準で、曲構成もキャラクターごとにフレーズや楽器が割り当てられていて現代的な常道を抑えつつ分かりやすくいい演奏だった。とはいえ、バレエに対し感じたような総合を超えてくるような感動には至らなかったのが正直なところだ。しかしこれは全体に高水準な中で相対的に惜しいというだけであり、特段欠点でもないし、批判的に聴かなければ何も気にならないだろう。

 

 

また公演途中に既に第一部の時点で満足していたので、調子に乗って色々課金した。

一人酒をする独身以上男性の完成である。

なおその後、サントリー美術館に行った挙げ句、六本木で鍋に日本酒をキメて、極まりけりなり。酒が美味しそうだったので仕方ない。

 

 

劇場で思うのはこの組織的な内容が洗練されてるという点。

反対に個人アーティストのライブや公演もあるが、本人の力量に依存し再現性がないのが個人の文化に対するイデオロギーとして微妙に思える。

 

全体を通してよかったし、主演の池田さんもキレイだったので、ぜひリピートしたいと思った。ぼちぼち入会を考えても良いような気もする。会社からもそう遠くないし。

 

家探し

はじめに

これまでは感染の一時的増加もあり散発的に在宅になったものの、ここのところ感染状況も落ち着き完全にコロナ前に戻ってしまった。

弊社は残念ながらこの機会に価値観のアップデートはできなかった。

私の在籍はもう長くないにしても、ルールはルールなので付き合わなければならない。

そこで隔日や完全在宅から完全出社となれば、体力的にも時間的にも片道1.5時間は厳しい。

そこでやや変なタイミングだが、引っ越しを検討し始めた。

 

物件条件

必須

洋式トイレ

築浅に拘らないがここだけは個人的な最低ライン。むしろここまでなら許容できる。築浅高すぎだし。

エアコン

言うまでもない。

ベット

言うまでもない。

 

任意

図書館

娯楽において個人的に優先度が高い。しかし出社時に立ち寄れるので、家の近くに必ずしもある必要はないかも。

銭湯

後述。

 

不要

風呂

tokyosento.life

東京は数が減ったものの銭湯がまだ比較的残っている。個人の感想。

備え付けは便利だが掃除も面倒なのでむしろ家事労働も加味すれば安いと思う。

広いし。

 

コンロ、シンク、電子レンジ

会社のカフェテリアや外食で十分なので不要。

自炊できないわけではなく、環境的にする必要がなく一人暮らしにおいて経済的に不合理なので棄却。

冬場のケトルはあってもいいかも。

冷蔵庫

同上。飲み物も自販機で十分。

洗濯機

やや微妙なところではあるが、都度実家かコインランドリーでいい。

というか家電全般の初期費用が高すぎる。

テレビ

見ない。大型モニターは正直欲しいが。

光回線Wi-Fi

大容量格安プランで十分。ゲーム含むハードトラフィックは実家。

会社の回線も私用デバイスが別途回線で使えるので困らない。

 

懸念

癒やしの喪失。

PC

実家がデスクトップな手前、取り回しが悪い。

ゲーム

Switchがちょうどいい。PS4は。。

ピアノ

そもそも最近あまり練習できていないが。電子を持ってこれなくもないが、ううむ。

 

コペルニクス

上記の検討にあたって、実家が中途半端に近いのが却って思いきれずネックになっている。

週末は帰った方が快適なのが分かりきっている。

もっとも会社の家賃補助が十分なら、いい家に住まわせてもらって東京生活を年中謳歌できるが。

 

週末帰るならその時間の家賃は無駄だ。

であれば立派な家を借りる必要もない。

 

そこでホテル暮らしだ。

高そうだがそこはうまくマッチングするサービスが生まれてきている。

値段はそれでも高めだが、管理、権利、柔軟性の利点がある。

Airbnbよろしくいい時代になった。

 

何よりも柔軟なのがいい。

月ごとに拠点を変えるのも手軽だ。お試し感覚でやっていこうと思う。感想も随時共有したい。

 

多拠点生活ブームで賃貸物件が変わる? 家賃を下げられるものも | スーモジャーナル - 住まい・暮らしのニュース・コラムサイト

今すぐ、無理なく都心暮らし unito(ユニット) |ホテル暮らし、家具家電付き賃貸に暮らせるお部屋サービス

 

安くて値段が現実的なものは、Podすなわちカプセルホテル形式がほとんどだ。

ここが懸念点ではある。

以前旅先でいびきのうるさい人に悩まされたからだ。

まあ単日でも試せるらしいのでそこからか。

ダメそうなら安い家借りるまでだろうし。