先日は初台のオペラシティを訪れた。
そこで付属の美術館の他、NTTの企画展も見学した。
NTT ICC
会場はかつての東のインターンと同じで、オペラシティの時点で予感はしていたが、実際に訪れてみると懐かしさがあった。
企画展としては葛飾北斎ほか、浮世絵のデジタル版復刻がテーマになっていた。
これは先日のそごう美術館でのゴッホのクローン技術に近い。
また芸術分野としても印象派として酷似していた。
こちらも同様に和紙の質感などが忠実に再現されている。
先日は藝大の研究の要素が強かったが、今回は展示会場の都合もありNTTの技術露出の要素も強いように見えた。
さらにNTT要素を強め、没入感の高い空間演出や自宅でのVR見学も紹介されていた。
さらに北斎のみならず、上述の西洋の印象派のほか、次期の広重の東海道五十三次も復刻されていた。
こうして二者の浮世絵を比較してみるのも面白い。
個人的にはやはり北斎の独特の構図が好きだが、後者の色味や人情味も味がある。
オペラシティアートギャラリー
こちらは現代アートの要素が強いように見受けられた。
とはいうが、実のところ理解が難しかったというのが率直な印象で、上は言い訳にすぎない。
企画展:加藤翼 縄張りと島
彼は紐で木造構造を引っ張る表現に固執している。
また香港だろうか、様々な民意のようなものが、シュレッダーにかけられたものもあった。
そこから民主主義の表現という印象を感じた。
紐は協力して引っ張っており、これは民主主義的な協力を感じさせる。
というのもちょうどそうして書籍を読んでいたので、バイアスがかかっていた印象も否めない。
しかし後半では引っ張られながらアメリカ国歌を演奏するものもあり、自由の象徴のアメリカを紐で拘束していると解釈すれば自然だ。
加えて表現の自由というのが、音楽と本展のダブルミーニングがかかっている。
ただ上述のように難しいと感じたのにこの解釈では平易で単純すぎてしまうようにも感じる。
しかし後者のシュレッダーも、香港から中共に対する赤裸々な感情があったのが印象的だ。
もっともそうした政治感情のみならず、個人のより属人的な恋愛などの感情も吐露されていたが。
また表現のために仕方ないかもしれないが、引っ張って倒れてくる先に人がおり、労災的危うさを感じずにはいられない。
そのあたりは行政を注視しているのか、日本では重機も併用して実のところかなり慎重に行われている印象もあった。
常設展:季節入れ替え
夏の展示というテーマだった。
前半は比較的写実的な現代油彩が多かった。
ただ全体的に淡めな印象もあった。
後半は若手の1人にフォーカスされていたようだったが、抽象度が非常に高く、これに関しては漠然とした綺麗さや描画技術は感じられるが、何を表現しようとしているかはてんで分からなかった。