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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

Gaultier Fashion Freak Show Review

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6月の頭、渋谷でゴルチエを見てきた。
その前の別の公演のコマーシャルで知っていて気になっていた。

一般の公演に比べやや高価なためふんきりがついていなかったが、その折お得にチケット購入を得られる機会に恵まれた。

公演全般においては、性的指向に代表される多様性の表現がよかった。
確か本公演はアジア初だったと記憶しており、それ以前は欧州ではそれなりの期間があったはずだ。
昨今、ようやくSDGsに代表される多様性理解が浸透してきたので、そういった意味でマクロ的な環境は好機だったのかもしれない。

また表現として文脈による内的なものと、自己表現による外的なものがハイブリットで構成されているのも個人的には刺さった。
本人がどれだけ意識しているのか、私の浅慮で軽薄にも思えるが、外的な表現の1つとして男性でもかの有名なコーン型のブラをつけていたり、スコットランドの民族衣装を現代化したメンズスカートのコーディネートは絶妙だった。

アバンギャルドに過ぎるので日常使い、ましてやいくら服装自由とはいえ会社に着ていくのはさすがに憚られるが、純粋にファッションショーを見ているような意識・感想として憧れのようなものがあった。

余談だが、欧州系の比較的派手めなファッションを好む私自身にマッチングしたという側面もあるだろう。
UNIQULOやUnited Arrowsも悪くはないのだが、全体的に薄味で無難にすぎる感じがして、私自身の自己表現には適さない。
金があるので特に後者のようなハイブランドもぼちぼち買い揃えたい気持ちもあるが、コスパも含めZaraなんだよなあ。

上記のような服装は雑にやると多様性への暴虐として炎上しやすいようにも思うが、その分野のトップランナーとして表現することに、究極的に行けている革新派・左派の空気も感じた。
これは政治的文脈というよりかは文化的文脈だ。
思い返せば社会を先導するのは著作や絵画芸術、音楽芸術といった文化セクターだったことを改めて思い起こさせる。

ここまでは主に衣装、脚本に言及したが、公演としての演出もよかった。
80年代音楽を多様しているようで、この年代はあまりカバーできていないが、確かにそのエモーショナルであえてギャップ的に古い雰囲気がスパイス的に効いている。

演者が客席の通路を半ばランウェイ的に出てくるのも、サービスとして旺盛でよかった。
当然ながら冒頭の短い動画からもうかがえるだろうが、ダンスのキレもバッチリだった。

またアンチ的な役割も面白さに買っていたか。Policeとして保守的な目線で当初は批判的な立場にあるものの、心酔していくのが嫌いになれない。
ただ唐突にトークに突入するので、音楽ライブにおけるMC的なぶつ切り感は好みが分かれやすそうな気もする。
これはスペシャルゲストも同様だ。

それと最後に気になったのは、観客にかなり外国人が多かったことだ。
これにより観客の雰囲気も、国内の他の公演とは少し変わっていた。
それだけの海外における人気に驚く。