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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

東工大中間発表会振り返り

本日,大学の研究室生活における重要なマイルストーンである中間発表会があったので,その振り返りを簡単にまとめておく.

このブログの大義としてアウトリーチがあるものの,研究やデータの秘密保持的なものもあるので,スライドの紹介など具体的な情報は避けるが.

ちなみにこの発表会は東工大の土木系の計画系のTSUというユニットで共催される.夏はM2のみが発表30分,質疑40分という長い発表を行う.

東京工業大学・交通研究グループ

例年は避暑地などで交流を深めながら行うことが恒例だったが,昨年は先生の都合?,今年はコロナの影響で,学内開催,オンライン開催と物哀しいものとなっている.

ちなみに昨年は聞くのみだったわけだが,途中からロンドン留学で離脱せざるを得なかった.こればかりはダブルブッキングだったので仕方なかった.

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今後は学科と学会がそれぞれ秋に1回ずつ,冬の終了間際にTSUでよりコンパクトなものを1回と学科の最後の発表会の1回で,残り4回の見込みだ.

上述と同様,学会などの発表会は開催地に旅行しに行くのもぶっちゃけ楽しみの1つではあったのに,コロナでオンライン開催の公算が高いのは残念なところだ.

発表についてに話を戻す.

まずテーマとしては,長距離幹線輸送における大型貨物輸送の低炭素化の検討となっている.これは今後,学会でも発表していく情報だ.

目的なども当然ながらこれに即したものとなっているが,自身の定義が甘かった部分が露呈した側面があったと考えられる.背景として示す貨物の実態のデータが不足していた印象がある.解析や既往文献の紹介に力を入れるあまりで,重要な前提部分をおろそかにしてしまったきらいがある.そのため聴講者には分かりづらい説明になった懸念があり,この点は反省だ.ゆえに中距離や小型車に関する質問に時間が割かれてしまった.

また質問の回答もグダグダしてしまった印象がある.質問に対し間延びした回答をしてしまった自覚がある.答えるために頭を高速で回しているつもりでも,空回りしてしまった印象だ.根拠となるグラフや数字を伝えるように努めていたが,コミュニケーションが適切に取れていたかは疑問だ.最近,外に出て人と話す機会も減って,よりこじらせてしまっている可能性がある.

さらにタイトルのような輸送についても突っ込まれた.具体的にはこうした輸送は,特に日本においては内航フェリーが支配的ではないかという指摘だ.この点も指摘の通りだ.これを前提にした上で,自動車に注目する根拠が必要だった.またフェリーに限らず,鉄道も同様だった.モーダルシフトと比較・検討していくべきという知見が得られた.

また総合的という言葉尻から,様々な要因を検討に加えるべきという声も多かった.例えば,EVのトラックを検討する上で,既存の原単位等の比較にとどまらず,充電施設の必要整備台数の検討や,CASEなどで台頭する隊列走行の影響を加味するべきという視点だ.本研究ではWtW分析という手法を用いて,CO2排出源単位を算出し環境性を評価することを中心としつつ,附帯する関連技術の展望についても検討していかなければならないと感じた.これを損なうと既往の研究との大きな差別化が生まれない上,激変する自動車関連技術とのシナジーも薄くなってしまい面白くなくなってしまう.

自身の発表時間とは異なるセクションだったものの,研究における世の中への期待・夢・面白さの視点を忘れないべきという先生の講演も同様に心に響いた.

さらに私自身の都合として,この研究は入社後も関連する見込みがある.であればただの研究ばかりか,自身のキャリアや業務へ活かせる芽もある.

CASEや燃料電池車FCV,水素技術の展望は見通せず難しいテーマではあるものの,研究における高い壁だからこそのやりがいは確かにある.

ただ結論として,目下のところはそうした比較的抽象的でふわふわした検討を具体化していくことはやはり難しそうだ.

当面は今回求めた結果を整理,改善しつつ,GREETモデルというモデルの利用を本格的に始め詳細な数値を算出することに,まず努めたい.

これは杞憂だった.

あと前日,落ち着いて眠れず,後半が英語発表で非常に眠かったのはココだけの話.

まあでも同系統の学派とは言え,他の研究室はかなり毛色の違う研究をしているので,そこは単純に面白かった.明日もあるのが幸いだ.

Zoom開催だと人前に物理的に立たずに済むので,心理的負担も小さく助かる.

最後は補足.

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