どうも昨今の情勢を見る限り菅優勢らしい.可もなく不可もなくかな.
間接民主制なのでしょうがないが,結局暴力団よろしくの自民党の派閥支配によりリーダーが決まってしまうことへのもどかしを感じないこともない.
同時期で進行するアメリカ大統領選と比較を意識しないわけにはいかず.
ただ一方で米はSNSのデマやら情報操作の真偽で物議を醸し続けているので一長一短かも知れない.
私たち日本に暮らす人間は、安藤さんの目から見て弱くなっているように映りますか。
安藤氏:日本人は闘わなくなりましたよね。主張しなくなった。1969年の東大紛争が最後かもしれない。昔はね、知識層が闘ったんですよ。私は仕事を始める前、20代の最後に世界を旅してまわったのですが、そこで東大紛争の原点ともいうべき、68年のパリ5月革命にも遭遇しているんです。異様な緊張感に包まれた街で、闘っているのはインテリゲンチアの学生だった。フランス語でまくしたてる主義主張は分からなかったけれども、徹底的にあらがうんだという意志・感情がはっきりと伝わってきて、心を動かされました。
今の日本はどうでしょうか。70年代以降、経済的発展を遂げていく中で、日本のインテリからは闘いの姿勢が失われたように見えます。既に完成され、成熟した社会を引き継いだ世代はあえて闘おうとはしない。闘いに敗れて今あるものを失うことが怖いから。「いかに間違えないか」という減点法が物事の評価軸になっているんですね。だから根幹のシステムが壊れるような危機にひんすると思考停止に陥ってしまう。
安藤忠雄氏「日本の停滞は、インテリが闘わなくなったからだ!」:日経ビジネス電子版
そういう意味で上記の記事とかは面白かったかも.安藤忠雄も信者が多い印象があるので,あまり好印象ではないのだが.これは主に埼大時代の教員によるところが大きい.
このあたりは環境的要因が大きくて,ことさら学校の教育システムの影響による印象が強い.
下記は乱用だが.
一律的,工場的システムが諸悪に思える.より本質的で多様性を認める寛容さが必要だ.
ユニセフ報告書「レポートカード16」 先進国の子どもの幸福度をランキング
これが先進国でも随一の心の貧しさに繋がるのではないだろうか.
少し話は逸れるが以下のようなものにも繋がりそうだ.
最近発生している典型的な物語の暴走に「アフターコロナはテレワークがニューノーマルだから地方移住が進むはず」がある。フロリダのクリエイティブクラスの議論を引くまでもなく都市が才能をひきつけるのは「多様性と寛容性」があるから。すなわち県外ナンバーを排除するような地方には移住しない。
— 若生幸也(WAKAO Tatsuya) (@twakao) 2020年8月29日
確かに地方は一般に寛容さで遅れているだろう.ただこのツイートはあまり正しくないように感じる.事実として地方移転は徐々に進んでいるだろう.都心の魅力は確かにあるが,都心のコストも馬鹿にならない.コスパへの疑問が顕在化している.若者はそうしたものに敏感だ.
実際に松山は転入超過という話を聞いたし,逆に東京では流出が始まっているらしい.またそうした移動者がどうなるかは研究のテーマにもなりうるが非常に適応していそうだ.仙台の年代別の交通モードの選択では,若者は中年以上に比べ公共交通や徒歩などが多かった.東京的交通生活スタイルといえる.行政も環境意識などから,そうしたサービスの拡充に努めているし,地方での生活の難易度はそれほど高くない.
また私はそこでコミュニティが育まれるべきだと思うが,そうでなくても東京のような生活は可能だ.地方に住む友人をみていてもそう感じる.
ただここで挙げた地方はいわゆる地方都市だ.本当の田舎の今後は一段難しいテーマだろう.
ところで安藤忠雄の指摘にもあった通り年代での問題意識の違いも大きいだろう.
戦争現役世代はその後の経済発展のためがむしゃらに働いたのは誰もが認めるところだろう.だが彼らの退陣後は意識の低い層が上り詰め,失われた世代が生まれてしまった.
しかし嘆くこともないだろう.そうした世代がさらに退陣を迎え,さらに成果主義などが徐々に台頭している.組織的な構造的課題を解決できれば,まだ舞える.これが前述の若者のリーダーシップにも繋がるだろう.ただ政治分野には見られないのが残念だ.進次郎も進次郎だし.若者といってもSEALDSみたいな傀儡もどきしか出てこない.
周にも同世代の日本のリーダーがいれば,周知の足がかりにできたと思っているかもしれない.中国は法の不遡及が本気で怪しいので,いよいよ危なそうだが.
そんなこんなで菅総理(混同しやすくて困る)の出来レースくさいわけだ.
自助・共助・公助の言葉も独り歩きで炎上気味でヤバいが.
個人的に新政権への期待をまとめておきたい.
まず何と言っても大臣の人事だ.あまり知られていない印象だが,大臣は国会議員でなくても指名できる.ゆえに実務家などの有能を積極的にヘッドハンティングした有能な組閣を期待したい.特に今後重要であろうITと環境は注目だ.
あと菅の総務省での経験により,携帯料金へメスが入るという見方もある.
楽天、22年にも携帯黒字化 基地局整備の前倒し加速、利用者つなぎとめ課題 :日本経済新聞
楽天もちょうど参入していてゲームチェンジの時期なので,その動きにも注目だ.同様の流れで公正取引委員会がコンビニにも再びメスを入れているので,そうした適正化への期待も同様に高い.というか各社はそう言われずとも,信用経済におけるブランディングとして方針転換が必要なのではとも思うが.
それから災害用語をキーワードに挙げるなら,その対応も注目だ.行政側が主張するものでもないという指摘があるが,災害対策や避難に関して市民理解を促すなら良い取り組みになりそうだ.単純に予算案も気がかりだが.