研究の傍らで講義も受けている中で,起業家の話を聞く講義は非常に有意義だ.
起業という同じ方向を向いているため,講義のあるコースの融合系というのがTOTALに寄っていて面白い.
またこの講義の特徴として,受講者によるSLACKが設けられている点が挙げられる.
ぶっちゃければ,コミュ障としてはやや厳しいものがあるものの,オンラインで隔絶されがちな環境の中で,交流機会が設けられている点は非常に助かる.
そこで講師やTA,受講者による講義時間外のディスカッションも可能な環境が用意されている.
Zoom講義は電車による通学が必要ないのが魅力的ではあるものの,コミュニケーションが希薄になりがちなのは問題だ.
講義によっては講師が喋り通すような,それYoutubeでええやんというものも,残念ながら散見される.
一方,Zoomでブレイクアウトルームを設けるのも効果的なものの時間の制約が大きい.
そこで非同期のコミュニケーションツールを用いれるのは便利だ.
これは講師が社会人割合の多い研究室で,経営に近いテーマを扱っていることも間接的に影響してそうだ.
ビジネススキル・経験を通した戦略の共有により効率化が進んでいると思われる.
弊研究室はアカデミック100%で構成されているため,やや難しいところだ.
そもそもうちくらいだと,LINEで十分となりがちだし,実際そうだ.
で本題の起業家の話だが,東工大出身ベンチャーのオムニバス形式で行われる.
一人目は先日の講義でお話を拝聴した.会社は下記だ.
Home | Vignette & Clarity(ビネット&クラリティ)
詳細は省くが,遺伝的アルゴリズムオタクということでこの技術をベースに靴に関してビジネスを行っている.
この講義では起業に際して,事業転換・ピボットに特に焦点を当てている.
ここではプラットフォームビジネスからオンライン販売に,おっさんから若い女性に転換したことが挙げられた.
とはいえ明示的なものではなく,プレゼンを聞いた個人的な主観のバイアスは強い.
いわく,プラットフォームビジネスは魅力的に映るもの,実際は大規模な投資が必要らしい.
新型コロナ:サブスク成長の陰で国内撤退3割 消費者に「疲れ」も :日本経済新聞
この辺の話も関連するところかもしれない.
あるいは先日,かのアップルもEPICと訴訟問題に発展した.
傘下のビジネスから手数料を以て稼げ,業界の神になれるが,相当するエネルギー,リスクが必要らしい.
記事では資生堂やトヨタが挙げられているが,単一のサービスでの維持は難しいように感じる.
アマゾンプライムのような生活への侵入が望ましいだろう.一体型,SaaSだ.
下記でも挙げたが,スイス国鉄のEVと電車乗り放題は好相性だ.
移動という同質の財でシナジーが高いながらも,生活に欠かせない移動サービスであるため解約はされにくいだろう.さらにMaaSとして移動が一体化されているのは,消費者としても非常に便利だ.さらに競合他社が同様のサービスを始めることも難しい.
話は戻って,社長の信念として合同会社としているのも面白かった.これにより株の公開や上場による金銭的大成は見込めないものの,自己実現を追求できる.
起業の目的を見つめ直し,会社の在り方を考えることは重要だ.
次の講演者は次回の講義なので,続編に期待といったところだ.
会社,社長は以下のような感じ.
と思ったら,聞き覚えのある名前だと思ったら,会ったことのある人だった.
下記に詳しい.
彼の学生へのアプローチの強さの表れである部分は大きいだろうが,人生の数奇な側面かもしれない.
またブログをやっていて面白い事例とも言えそうだ.
オフレコ部分があったわけだが,これを別途テキストで保存していたので,これを見直す機会にもなった.
ただ今回の記事で面白いところは,一人目がプラットフォームビジネスに否定的だったのに対し,二人目はプラットフォームビジネスで大成しているらしいところだ.
詳しいところは改めて話を聞きたいところではあるが,事前調査の限りEdtechのプラットフォーマーらしい.また資本金も十分で,ミニマムではなく会社を大きくして,世界的に広くリーチしようとしているところが伺える.
こうして対照的な事例を見ることができるのもまた面白いところだ.
ただ共通するところとして,それぞれのリンク先を詳細に見れば分かるが,ブログに代表される情報発信には熱心に見える.
意外と手軽なのは私も感じるところだし,東工大にいた一定のインテリの責任感のようなものとしてアウトリーチしたいような深層欲求が潜んでいるのかもしれない.
最後に個人的な話を加えようか.前述の文脈だと,私も彼らを追って起業しそうな勢いではあるものの,現状ではビジョンはない.社長というポストには憧れるものの,東工大のボトム層である私には,学生のうちから行えるほどスキルが整っていないように感じるからだ.それに学生の分際なので,社会課題も多くは認識できていない.
ゆえに一旦大手企業に入社し,数年でスキルを磨きつつ,社会を俯瞰し,準備が整いかつビジョンが見いだせたら,こうした講義の経験も生かして挑戦したく思う.
起業やYoutuberは夢がちに語られているが,そのあたりはしっかり根を張ってやって行きたく思う.付記すればYoutubeもそんな感じだ.
少しやってみて思ったのは,これで食べていくことは極めて厳しく,方法もより洗練できるということだ.例えば,一本取りでやることはないから,編集しつつナレーションにすべきだったり.