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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

日本科学未来館に行こうか

ここのところ論文の修正対応の必要があり,ブログの執筆の優先度が下がったためあまり書けていなかったので,頭の中に溜めていた諸々を吐き出して整理しておく.

 

先週末は文化の日関連で常設展の入場料が無料だったので,ゆりかもめに乗りつつ台場の日本科学未来館に訪れた.

訪問は高専の低学年以来か.

当時は校外学習の一貫のようなもので,受動的な来館だったため,正直あまり記憶に残っていない.

 

 

セコいが無料観覧が目的なのでドーム展示ほかはスルー.

午後から別の予定もあり,時間的に厳しいところもあった.

 

常設展3階の手前にはNewsPicksなどでブイブイの落合氏の作品など.

未来的で先進的な技術と掛け合わせた芸術というのはまさしく本館においても相性抜群なところだ.

 

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こういうところでさらりと名前のある会社はカッコいいと思う.

さらに解説も結構しっかりめで,館内に多くいた子ども以外の大人にも楽しめる配慮がいい.

このほか,写真はないが分かりやすいところでいくと初音ミクが画面上に映ったりも.

 

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個人的に最も興味深かったのが上の展示.

何か唯物的な展示をする博物館という趣旨と相反するような要素に積極的なところが,本館の面白い特徴だ.

こういう思考法は以下のリンクのToTALでのワークショップを強く思い起こさせる.

 

pytho.hatenablog.com

 

社会課題が山積する中でも,線形な技術進展にも限界があり,望む未来からの逆説的革新の展望を考えることをやめてはいけない.

個人的にこれは環境問題と近しいと思う上,環境問題然り日本人全体としての弱みの部分にも感じられる.

 

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上記のインターネットの物理モデルはパケット通信などを模式化したようだ.

付きっきりで触れられるかなり高級かつ回転率としては悪いものだ.

さすがに大人一人で子どもの邪魔をするのも憚れたし,こうした根本的設計は概ね理解できているだろうという自負もあり,流し見で.

 

シンプルに最も好きな展示は以下だった.

AKIRAの音響を解説する10分程度の動画だ.

本作は確かに思い返してみれば,エスニックでユニークな音楽による引き込む力が脚本に劣っていなかった.

音響も仮設感のある割にはかなり迫力があった.

 

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未来館らしいとも言える将来の生活の予想も.

これを見て強く想起されるのは伊藤計劃のハーモニーのWatch meだ.

 

また動画を撮ってしまったのでここで画像で示せないが,災害などの都市生活リスクを示した社会科学的,土木工業にもやや近い展示もあった.

やはりこういうところでは,地味な工業が軽んじられてしまうのが悲しいところだ.

 

館内端末はアンケートが実施されており,その回答の集計も示されていた.

科学的で面白い.

感染者数の推移と重ね合わせで,行動原理の背景が垣間見えるかもしれない.

 

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看板にもあるが,本館は研究にも一定程度近いように,それでいて互いを邪魔しすぎないよう配慮された設計のようだ.

これに関連して科学コミュニケータの募集も気になるところだ.

ちょうど留学の内容もそれに近かった上,修士も持っているしシナジーは高い.

 

pytho.hatenablog.com

 

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)日本科学未来館 科学コミュニケーター募集概要 | 日本科学未来館 (Miraikan)

 

冒頭に示した通り論文を半年ぶりにいじくり回して,改めてアカデミックも悪くないなと思った.

修正というのも要は査読でプロからの指導が入るので,至極まっとうなご指摘が多く頭が上がらない.

 

翻って弊社はじめとしたビジネスは,上から下までいる分野なので当然だが,マニュアルも十分に読めないような人が多く,軽く絶望する.

フレーミングすればかなり勝ちやすい環境ではあるが,ここに身を一生落とせるかと言われると難しい.

そもそも別段多くの金もいらないという問題もある.

自己実現として選ぶべきと考えると..

 

リテラシという点においては,ITスキルもイマイチで,ブックマークのエクスポートやマクロでの効率化という視点も欠けてしまっている.

DXできてもその先は暗い.

これは会社や部署などの環境によるバラツキも大きいだろうが,割と平均的か世間一般よりは高い水準にいる自負もあってこれなので..

 

全般的リテラシのコンテクストを拡大すれば,そもそも数学や科学スキルが欠落している.

比して文系の会社であることを加味しても呆れるレベルだ.

さらに文系総合職はまだ地頭がいいだけましで,下請けや業務委託にこの水準を求めるのは酷だろう.

 

こうすると話が一回りしており,世間一般のサイエンスセンスを向上させるという自分ごとに落とし込んだミッション的社会課題が見えてくる.

ここまでにかなり会社の愚痴を連ねてしまったが..

恐らくあの環境であれば,常勤にはドクターもいるようで,知的好奇心は強く満たされるだろう.

また博物館をここ最近巡っていて学芸員に憧れるところもあったので,そこでもかなりシナジーがある.

科博のようなところと提携する機会に恵まれれば,志願成就だ.

 

とはいえこの安定した地位を保とうとする「慣性力」もなんだかんだで強い.

3年での退職金と社会保険も魅力的にも思える.

福利厚生もまずまずで未来館となると台場への通勤か引っ越しも負担になる.

ひとまず書類だけ整理してみて,改めて脳内を整理して出す出さないは決めるとしようか.