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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

映画:21世紀の資本 レビュー

この流れで

pytho.hatenablog.com

要旨の要旨としてはこんな感じかな.

ネタバレを多聞に含む.というか感想というより要旨??

 

 

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映画は原作者や知人の学者の解説を挟みながら歴史を追って展開されていく.まずは社会主義の崩壊からの資本主義の流れが再確認されつつ,これにより資本主義に寄りすぎてしまったと批判する.

そして貴族社会から話は始まる.かつて資本というのは土地で1%の貴族の特権を守る制度の下に社会が構成されていた.そこでmoney morried moneyというセリフがあり,これは非常にシンプルで象徴的で面白い.思想の支配という言い回しも同様だ.

その後レミゼの民衆の歌のシーンを参考に産業革命を含む社会の革命で大きな変化を迎える.そして土地からモノの経済へと移ろう.そしてファッションなどがこれを煽った.Xmasも文化が変化し消費するイベントへ変貌した.個人的に現代日本におけるハロウィン・バレンタインデーも同様の手法を源泉とした古典的資本主義戦略で面白い.

そして軍拡の時代だ.WW1.植民地支配により投資のサイクルが回るようになり加速した.労働者の扱いも洗練(人権侵害)された.ここで人材に関する逸話は面白い.最近では企業も人財と言ったりするが同じようなことだ.奴隷をストックしておくことで,いざとなればこれを商品とすることができるという考え方だ.非常に合理的だ.

そして戦争の原因には経済格差の拡大があったわけだが,これが愛国心にすり替えられた.プロパガンダの奏功だろうか.

その後バブルが多幸症を煽り(卵と鶏のようだが)世界恐慌を引き起こす.これにより銀行員が投獄され担保として法整備が進んだのは非常に評価できる.これが現代でできるだろうか.

しかし歴史は繰り返す.ドイツはWW1の賠償金などもあり景気が悪くヒトラーの煽りもあってファシズムが進行した.このファシズムが極貧と関連すると映画は説く.またニューディール政策においても格差拡大を受けて共産主義的政策が盛り込まれた.そしてWW2はテクノロジーの戦争だった.これにより工業化が進んだ.この組み合わせにより福利厚生や国有化,上位への課税が進んだ.勉強でのし上がったサッチャーが象徴的とも述べる.

その後戦争への回避は社会的合意がなされたが,中東のリスクにより再び不安定な社会を迎える.オイルショックスタグフレーションだ.

これにより企業は財務主義に走る.これまで繰り返してきた資本への偏心だ.一方,日独は労使の参加が進んだ.結果としてこれにより景気は逆転する.これは同盟国側には皮肉だ.その後も福祉を否定し人間の心理的弱みに付け込んだ物語の選挙戦略が功を奏しレーガンが台頭する.トランプのGreat America Againはここに通じる.そして貪欲になることも正当化され,これを免罪符に逆行した社会へ.

そしてローンバブルいわゆるサブプライムローンリーマンショックで信用が崩壊する.多くの人が損失を被ったが金持ちの被害は少なかったらしい.というのも株価の回復は早かったためだとしている.そこでGDPの伸びとともに経済は成長してきたが,賃金の上昇率とは乖離が見られ,これが金持ちが成長を横取りしているものだと批判する.

さらに民主的な支配からエリートによる支配へのイデオロギーの変化も言及された.またたまたま金持ちになった人がこれを自身の能力だと勘違いするという研究結果が実験とともに示された.これにより同情できなくなるらしく,そのこと自体,人間の性に同情せざるを得ない.アカデミックとしてここは非常に面白い.

そしていよいよ最近の話題に突入する.租税回避TAX HEAVENだ.また神の見えざる手で有名なアダムスミスについても言及した.彼は社会で金を循環させるために銀行の重要性を説いた.しかし現在の大きすぎてつぶせないような大銀行は想像・理解できなかっただろうと考察した.さらに金融商品の8割がマネーゲームで資本家の成長への還元の少なさを批判した.不動産は世代間格差が生まれ,若者はババを引かされたと分析する.これは非常に問題だ.日本においては殊更年金問題もある.人口減少も迎える中,やっていけるのだろうか.これもあり,2/3の若者が親よりも少ない賃金になると推測されている.経済成長は確かにしているのにだ.矛盾でしかない.資本利益率が経済成長よりも大きいことにも言及した.さらに最近ではUber Eatsの映像を示しながら自営業扱いの雇用が増え,福利厚生の崩壊,極貧の再来の懸念を述べた.総括すると資本と権利の集中が悪とした.

そこで民族対立などの楽な施策を考えずバランスを真摯に見つめなおすことを提案した.累進課税を高め本当の実業家以外が失脚するような自然淘汰の摂理を定義し,相続による富裕層の固定化対策も説いた.しかし一方で機械化・AI社会により人が馬になるかもしれないと述べた.これは比喩で馬が自動車といった機械に置換されていった歴史を示す.そのため資本の再検討が必要だとまとめた.

 

感想としては経済的失敗の歴史に焦点を当てている点で面白く非常に勉強になる.不景気は起こるべくして起こるとも考えられそうだ.今後はVUCAともいわれるのでこれまた分からないところもあるが.

ただこうした構造的問題が明らかになったにも関わらず失敗が繰り返される点は不思議だ.まさしくトランプやBREXITナショナリズムの再興と言える.しかし裏を返せばそれだけ資本家への締め付けが難しいことがうかがえる.TAX HEAVENのパートでも述べられていた.必要なのはそうした地域への制裁だと.

だが政治家の身になればこうした本質的解決の施策を説いて納得してもらうよりかは,他民族のせいだと転嫁して煽りさながらアジテーションした方が楽に決まっている.そしてこれは有権者の投票行動にも言える.であるならば自己責任の端が0とも言い切れない.当然資本家の保身という姿勢に対し私も批判的だが.

 

そして試写会では質疑応答が設けられた.まず1人目は質問が長くてよく覚えていないが,答えとしては原作者ピケティが続きとなる「資本とイデオロギー」を出版するとのことでそれを読んでくれとのこと.これは来春発売とのことだ.ここでは70%の高税でベーシックインカムが実現可能だとか説いているらしい.

次の2名は高齢者で特有のイデオロギーを含んだものだった.まずピケティが社会変革にあたり戦争が必要悪だと考えているか,次にこの映画の内容自体そのものが特定の思想観念に寄っていてプロパガンダ的だというさながら批判だ.前者はある意味でそうかもしれない.回答者は暴力と不平等の人類史を読むことを勧めた.ちなみに会場文喫ではこのイベントに合わせ,関連する本のおすすめコーナが設けられている.映画に興味を持ったならこれもお勧めだ.後者は新作への繋がりを意識したものではないかと答えた.というのも原作の本との記述の差異が見られるようだ.

最後にこれまでの話が欧米を中心に展開され,日本での適応の是非を問いた.これは概ね適応できそうだ.この観点で行くと今後は経済圏が中国を中心としたアジアに移るのは確定的で,これによりどのような化学反応が起こるかということこそ興味深いのではないだろうか.

ゼミ30:水素インフラLCA

Lifecycle performance assessment of fuel cell/battery electric vehicles

Jenn-Jiang Hwang, Jenn-Kun Kuo, Wei Wu, Wei-Ru Chang, Chih-Hong Lin, Song-En Wang

International Journal of Hydrogen Energy Vol 38, Issue 8, 19 March 2013, Pages 3433-3446

内容

台湾でのFCVをシミュレーショによるLCAを目的とした.比較のためBEVも検討した.

まずMATLAB/simulinkを用いてFCVのエネルギー効率とGHGの分析を行った.水素はSMRとグリッドまたはPVによる水分解の3つを考えた.バッテリーなどの詳細は以前の論文で行ったため割愛された.まず気体の状態方程式などから燃料電池の効率が定式化された.これより各パラメータの公称値・最大値が導かれた.またバッテリーの充電や走行のエネルギーも定式化された.また水分解でのこの時点での技術とその効率が示され,定義された.これらに基づきNEDCサイクルでシミュレーションされた.

まずBEVをLEAFで行い誤差3.4%以内で再現した.FCVも行いモーターのダイナミクスが劣ることが示された.そのため初期や回生で内蔵されたバッテリーがはたらくことが示された.そして考えられたFCVの燃費は65MPGeだった.ICEは28,BEVは99であった.したがってEVの効率が良いことが分かる.FCVがBEVに劣るのは電気化学反応による損失が大きいためと考察した.またシステムと効率のグラフプロットより,システムの正味電力が28%程度でピークとなった.

さらにGREETモデルでWtW分析を行った.WtWではグリッドの水分解は著しく悪いもののPV利用はSMRよりエネルギー,GHGともにBEVよりも抑えられた.WtPの効率では従来のガソリンが80%と最高で,PVが63%と続いた.全体としてICEとの比較が右図になる.PVによるFCVが非常に効果的なことが示された.また初期に有用であろうSMRも効果的なことが示された.

感想○

GREETモデルを用いPVも検討して近しく非常に興味深かった.だがPVでのBEVは除外されていたのが気がかりだった.

Life cycle assessment of hydrogen supply chain with special attention on hydrogen refuelling stations

Christin Wulf, Martin Kaltschmitt

International Journal of Hydrogen Energy Vol 37, Issue 21, Nov 2012, Pages 16711-16721

内容

独の水素補給ステーション(電気分解)の実績値を参考に水素燃料を分析した.これは生産される水素の半分を満たす.その他はSMRが占める.またコンパクトなタンクなため電気貯蔵施設のポテンシャルも持っている.バスにも供給している.

そこで水素生産に関してLCAを行った.GHGに着目し一時的エネルギーとして全電力平均やRES,SMRの化石燃料だ.そして各プロセスでの単位量あたりの製品や輸送などのエネルギーの流れが定量化された.データは原則ecoinventに依る.SMRは改質において天然ガスや石炭が脱硫・過熱したものに水を加えCO2を吸着することで作られる.一般に対照的に工場生産なのでガスの輸送コストも検討された.同様にバイオ系のグリセロールやバイオマス化も検討された.これらの副産物のクレジットと詳細なパラメータが求められた.ステーションとしてのタンクのデータは不足していたので仮定が置かれた.

結果はやはりRESでの分解が高く木のバイオマスも同等だった.全電力平均は2度の変化を経ることや化石燃料由来といった要因から悪い結果が確認された.グリセロールも高い結果となり環境施策として意外な結果となった.これについて農業(菜種)の一般的なプロセスでの排出が多いと考察した.また化石燃料からの生産も効率などから石炭より天然ガスが優れていることが示された.また出力の詳細が示された.99.8%が発電に用いられ,電解槽の生産や水の供給のエネルギーが無視できるほど小さいことが確認できた.同様にパイプラインの建設のコストも環境の観点からは影響が微量だった.

そしてバイオマスのGHGも生産中が8割余りを占めた.残りは圧縮と補助機器に半々に用いられたことが明らかになった.石炭のガス化は酸化に多くの電力が必要で排出量も多いことが示された.

 

f:id:pytho:20200307115101p:plain

感想○

他の論文で軽く無視されていたような水の輸送コストなどの事項も詳細に検討されていたのはよかった.水素について理解が深まり良かった.またグリセロールという手法は皮肉で難しいものだと思った.

 

GREET model

GREETモデルに変更を加えた.以下のスクリーンショットのようにエネルギーの構成に関する項目をアメリカのモノをベースに日本のモノへ変えて再計算して結果を比べた.しかしFCVは国に関する項目がなかったので直ちには行えなかった.なお以下はいずれも全電力平均を表す.これよりアメリカでは火力が多いものの原子力(20%)も占めるので,その分日本の結果の悪さが際立ったと考えられたが,原子力12%という値が用いられていた.アメリカを見直すと水力・風力が各7%でこれらのRESの影響も考えられる.この点については今後さらにデータを外挿して考察できる.

f:id:pytho:20200307115050p:plain

 

 

 

WTP Energy

WTW Energy

WTP=WTWCO2

BEV

Car

US

81MJ/hkm

157MJ/hkm

9.80kg/hkm

BEV

Car

JP

112MJ/hkm

189ML/hkm

13.26kg/hkm

BEV

Truck

US

567.97kJ/(t km)

1108kJ/(t km)

68.92g/(t km)

BEV

Truck

JP

790.78kJ/(t km)

1331kJ/(t km)

93.28g/(t km)

書評 in 文喫

今日も今日とて文喫.

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今日の目当て:イベントは下記のとおり.

peatix.com

21世紀の資本という本は確かに知っていたが確かにボリュームから敬遠していた.まとまった映画ならということでノーマークだったが巡り合わせで試写会に行くことに.コロナな昨今ながらイベントは貴重だ.

そしてその感想は後で記すとして,せっかくなので早めに入店して読書を楽しむこととした.ちなみに就活の初動とゼミはまずまずといった具合で幸いだ.今朝もJRとOB会をしていた.この辺も別個で記せたらと思う.

そしてせっかくの文喫ということで物色して流し読みした感想など.

まずこちら.

最前面はダークツーリズムをテーマにしたもの.観光経済学のアカデミックから出ている.このテーマは以前講義課題にも選んだ.未だ興味があった.文庫本で安めなのも吉だ. 

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www.nikkei.com

さくさくまとめて紹介していく.次は世界の地下鉄駅という本.目次を見ての印象は日本が少ないなと.日本は広島のアストラムラインただ一つだ.世界でも屈指の鉄道王国ながら悲しいことだ.これは日本の鉄道運営の特性が表れているのかと考察した.他国では公共インフラとされるが,日本は3セクなどを除き民営だ.そこで収益性が求められるとデザインに割ける余裕は厳しい.とはいえ最近の銀座線のホームなどはレトロさとモダンさの調和がいいとも思う.本書の内容を紹介すると北欧の岩盤むき出しのものやドバイのクラゲモチーフのサイバーなものや,平壌の思想や社会性が反映されたものなど多様で面白い.さらに写真と簡単な解説で読みやすいのも良い.個人的に高雄のステンドグラスの駅は近いし行ってみたい.

オタクが饒舌になってきたところで次に移る.次も鉄道のもので昭和の歴史を振り返るものだ.戦前から戦後の時代背景とそこでの鉄道の役割を回帰しつつ現在との比較がされている.鉄オタとしても知らないこともしばしば書かれており非常に興味深い.例えばジョイフルトレインのSL銀河は線形の厳しさからSLのみならず客車の動力を用いているとのことだ.日本の近代における鉄道の重要性を示す一書として価値がある.

さらに同様のものが続く.最背面のもので都営交通の写真集だ.都営地下鉄をはじめ都電,都営バスの何気ない日常が切り取られている.都営といいつつ素朴でのどかな感じが心地いい.

ここからは表情が変わる.上から紹介する.

まずデザインをコミュニケーションから学術的にアプローチしようとした講義をまとめた本書.日大芸術学部の講義が基.デザインは情報を伝えるすなわちコミュニケーションの手段の1つだったことに回帰し見つめなおした.そしてデザインの歴史を振り返った.通常は産業革命以降から行われるが,広義のデザインは物語・会話をはじめコミュニケーションであるから社会生活の成立から息づく.コペルニクス的で興味深い一書.また留学のテーマにも近く興味深いものがあった.ちなみに前述の地下鉄もロンドンのTube/Undergroundを想起させた.

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次が災害をユートピアと述べる奇特にも見える本書.ユートピアという単語が最近履修した教養科目(以下リンク参考)に近く,加えて土木に密接な災害という掛け算で見逃すことができなかった. 本書の概観は災害という人類のピンチこそ人間の性善説的な協力社会が表れるという論調だ.一方でこれは内部の話で,外部から被災地を見れば,利己的になって危険になっているのではないかという疑念が広がり文字通りの地獄を呈してしまうというのだ.ここには例示もあり耳が痛ましい.人類の善良さと邪悪さを突き付けてくる衝撃的な一著だ.

***

3/11追記

コロナの勢いは意外にも収まらず米の流行の潮流から金融市場にも波及する中,災害としてのコロナと本書の関連性は深そうだと考察できる.またこうした状況を受けた各々の行動にも表れる.一般人はメディアの煽りからか,不安になり精神の安定を求めてか,マスクの買い占めや検査数の増加の要望をしている.これが上述の外部環境に似ている.そして武漢では感染予防のため交流が希薄になりつつも団結が見られる.というのを見かけたのだがソースがなかったので眉唾と思ってもらってもいい.また識者とのギャップも興味深い.リテラシーが高いほど事態の深刻さや本質的な対策を考えられている.簡単に言えば冷静だ.そのため買い占めは抑止され発表される統計的数値も吟味できる.こうした人ほど利他的なのは皮肉だ.たまたまこの日付だが9年前,特に原発も同様だったことが思い出され頭が痛い.

***

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次は星の王子さまをベースにした辞書だ.多言語を勉強している友達に感化された感は否めない.物語を読みながら勉強できるかと思い興味を持ってとってみた.しかし内容はわりとかなり辞書.ただアプローチとしては面白いと思う.

続いて日経の読み方をまとめたもの.ただこれもビジネス初心者向けな感が否めなかった.別に私もビジネスの上級者ではないから一読の価値はあるが,基礎的な内容も多め.例えばCEOやESG,SDGsといった言葉や有名人について紹介しつつ読み方・勉強法を伝授している.ビジネススキルを0から鍛えたい,日経が読みたいけど読めない人には非常にお勧めの本だ.

そしてシナリオを悲観した一書.リスクについて言及されいている.シナリオといえば以下リンクのワークショップだ.いい加減書かないとなあと思いつつ...ここでも楽観的/悲観的シナリオの双方を考えた.VUCAな未来に対応するにはいずれも必要なことだ.その中で特に悲観的シナリオに焦点を当てているという点でまず興味深い.そして序説ではまず911について言及され,こうした少ないリスクに対して対策が表明されたことを紹介している.一方で少ないリスクに対応すること自体のリスクや負担のジレンマを挙げた.そこでこうしたリスクの対する反応や費用便益分析の限界を紹介するとした.これは非常に身近に感じ面白い.まず計画数理・理論を履修してきた身として,今後の費用便益分析の見方が提示されていること,卒研で橋梁の安全率の指標の検討をしてきた身として,リスクアセスメントに言及していることだ.後者は橋を落としてはならないという原則の下,コストの制約から,乱暴な言い方をすれば超低確率の破壊を許容している.この考え方に一石を投じるものと成り得るのが本書だ.また鉄道分野にESを出した身として同様に安全の観点から興味深い.また昨今の事情にも近い.コロナのリスクとその反応だ.目次ではテロ・議定書から始まり環境や経済に重きを置いているようだ.

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セミファイナルは物語の構造分析という訳書.言語の演繹的なアプローチとこれまでの文学の帰納的なアプローチの是非に言及しながら,非常にアカデミックに硬派に物語の分析を行おうとしている.また物語といってもジャンルは多様だ.この定義も厳密には難しい.そもそもの物語というテーマは文系に,分析の硬派な点は理系に,すなわり文理双方におすすめできる一書だ.

最後は小説の読み方の解説書のようなもの.文体は口語的で読みやすいと思う.そして冒頭の教授もとい著者のエピソードが魅力的だ.米の学生の積極性に言及している.米では大人の学生も多く殊更彼らの積極性が高い.それに触発されてかティーンの取り組みにも目を見張るものがあるようだ.学んだ文学を主体的にまとめるカリキュラムがあるようで映画にして賞を用意したりしているらしい.そこには教師の影響もあるようだ.彼らはこの文体が整っていない(いい意味)本書を教科書として用いているらしい.そこでいいと思ったところを抜粋しているとのことだ.これは非常に羨ましい.もちろん小学校入学から高専の国語まで文学に触れる機会はあったが受動的に授業を受けてきた.しかも題材もありふれていた.この形を変えなければ読書離れは必然かもしれない.そしてこれは余談にすぎず本文にはこうしたエッセンスが詰められている.魅力的だ.ただ一方で英文学ベースなため,日本文学の適応の是非は気になるところである.まあ応用次第だろうが.

そして最近マイブームに小説がきている.ベルさんをきっかけに蜜蜂と遠雷を読み始めたことに始まる.

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それこそ中学以来久しぶりに読んだ小説というものが,非常に表現豊かで没入的で面白いのだ.最近はビジネス書がトレンドでこれも知の欲求として非常に面白いが小説も捨てたものではない.特に比喩表現の豊かさが刺さる.中学時代はライトノベル全盛期であれはあれで読みやすい文体で若者受けなストーリーが漫画のようで面白かった.ただ裏を返すと稚拙さが否定できない.また他に読んだ小説と言えば,流行のものばかりで,告白・Another・流星の絆などだ.いずれも面白かったが文学を楽しむというよりかはストーリーを追っていた側面があり,もったいない読み方をしていたように反省できる.特に東野圭吾はミステリーで先が気になってしまう.白夜行は登場人物の心理描写などが複雑な感じで噛み応えがあったようにも思うが,流星の絆容疑者Xの献身は比較的シンプルだった.読みやすくいい読書経験にはなったと思うが一長一短だ.

自己分析2:PROG結果

www.kawaijuku.jp

上記のテストを学校内の企画で受けたので結果をメモ・共有する.以下,点数/満点で表記.

Literacy:7/7

***

情報収集力:5/5

情報分析力:5/5

課題発見力:4/5

構想力:4/5

***** 

言語処理能力:5/5

非言語処理能力:5/5

********************************

Competency:4/7

***

対人基礎力:2/7

  • 親和力:1/7
  • 協働力:3/7
  • 統率力:3/7

***

対自己基礎力:7/7

  • 感情制御力:7/7
  • 自己創出力:5/7
  • 行動持続力:7/7

***

対課題基礎力:3/7

  • 課題発見力:5/7
  • 計画立案力:1/7
  • 実践力:3/7 

やっちゃった

面白そうという無神経(自覚アリ)でやっちゃった会社の別ルート選考を受けてきたので記録しておく.

説明&WS

NIM電動化と知能化で環境問題を解決
コネクテッドをロンチ
若手を海外に投げてノルマを課す制度も
超上流はグローバルマーケの担当
ディーラーとマーケも
顧客営業出向が2年目に決められている
4年目でジョブローテ
WSSWAT分析
ワークはグループで1hでアフターセールスの企画提案というもの
企画といっても新規ビジネスではなくあくまでアフターという点は難しく裏を返せばやりがいもあった
ただ周りが日産を受ける割にEVの知識が欠けていて議論のやる気が起きなかった
イキリオタクにもなりたくなかったので

座談会

ビジネス英語:英会話
部門を変えられる
細分化されているがそこで個性を光らせることが重要
強み:挑戦心
事業転換?
キャリアの差異:4年目から
早期から声がひそかにかかることも
年功序列でない:20代で課長も
2年目からボーナスの加点で変化し月給も年1で見直しで下がることも
リーダーシップ・主体性
CFT制度:かつて日系の先駆施策
上長との相談なしで異動可能な制度も:オープンエントリー・シフト
<HRBP
同期あまり辞めていない:氷河期?
メーカーであってもMAという職種の括りで中途で来る人も
広告・マーケが下手?

感想

電気自動車という破壊的イノベーションに気づけたのはよかったがICEからアプローチしたのがテスラとの明確な違いで現状は拮抗にも見えるが明日は暗そうだ.今回は日本で事業部を展開する人らにしか会わなかったが彼らから凄みが感じられなかった.若く愛嬌がいい早大出身女子と氷河期でしがみついている感のある中年課長というメンツも面白かった.加えて人材特化の子会社か部署の人も来ていた.こうしてみるとおそらくエンジニアは新規の開発で苦労したものと対照的で不憫な感じもする.もともと冒頭に書いた通りあまり真面目に受けていなかったことは見越したのか結果は下記のとおり.タイトルの伏線回収というやつだ.これで合格だったらいよいよお笑いだった.

ただ懸念事項としては,ゼミのタグからも分かるように研究室でEVを扱う以上,今後交流があるかもしれないという点だ.ただいいものはいいし悪いものは悪いと言っていきたい.

結果

青木孝成様

こんにちは、レクミー運営局です。

この度は、『日産自動車 特別説明選考会 <マーケティング&セールス/アフター
セールス>』
にご参加いただき、誠にありがとうございました。

選考の結果、今回は残念ながらご希望に沿えない結果となりました
誠に恐縮ではございますが、何卒ご理解の程お願い申し上げます。

今後も皆様のキャリア形成のお役に立てるような機会をご案内していきます。
レクミーをどうぞよろしくお願いいたします。

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リーディングマーク レクミー運営局
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※9月より新オフィスへ移転しました※
Address:東京都港区芝2-13-4 住友不動産芝ビル4号館9F
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