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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

インフルエンサー(V)は稼いで当然だが,数字には責任を負わねばならない

下記のブログ(以降,衰退論と記述)は後述のように,当ブログでも何度か言及したことがある.今回も面白い記事だったと思うので,自身の考察を加えたい.ちなみに下記のソースは非常に長いので注意.ぶっちゃけV推しや考察オタクの活字厨でもびっくりする分量.熱があっていいけど.個人的にはもう少し読点をつけてほしいところだが.

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pytho.hatenablog.com

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今回の衰退論の内容を紹介しながら,各個撃破で言及していく.

まずライバーの目的意識の欠如を引き続き指摘している.これは前回と重複するが,今後の議論にも重なるところだ.この点については概ね同意する.といっても私はホロ推しで,あまりにじさんじを見ないので状況をあまり存じ得ないのだが.

ただこの基礎的な方針は非常に重要だ.箱にしてもその中の個人にしても.ターゲットを絞った上での戦略的行動はビジネスに必須だ.これは若い生主,実況者出身の占めるVtuber界隈からすると,逆説的な環境で厄介な問題だ.個人生主であれば,少ないファンに応えるように緩く配信ができる.しかし箱の企業所属となると,社会的責任やお金が絡み複雑化し,暗にビジネススキル:社会人経験を求められる.

そうした前提を置いてか,衰退論ではコラボにより注意するよう警鐘を鳴らす.まず個人間のコラボについては,それぞれの視聴者層のニーズに合っているか改めて確認し,またそこで得られる数値の感覚を持っておくことの重要性を説いている.これを衰退論では,業界トップに君臨し殿様となった弊害だと強く指摘する.確かに界隈の急速な拡大により,このあたりの認識が甘そうな雰囲気は否めない.特に数値の部分は耳が痛いだろう.だがビジネスにおいては,至極当然な作業だ.衰退論も本記事も視聴者の杞憂に過ぎないが,視聴者ながらこう思ってしまうのはやはりライバーへのビジネスセンスへの違和感がある.

そしてコラボについては,企業間についても言及している.にじさんじが殊更前座に使われがちで,その機会がしばしば惜しいというのだ.この点はソースも多く示され納得感があった.ただこれについては,ライバーの責任というよりかは,経営方針の上長やプロデューサー,マネージャーに依るところが大きいと個人的には感じる.ここも業界を詳しくは存じないので推論にすぎないが.にじさんじは業界トップとして,ノブレスオブリージュ的な優しさ・負い目があったのではという考えも,衰退論では指摘されていた.気持ちは分かるが稼ぐことの何が悪いのか.にじさんじの牽引力が上がれば,自ずと全体もベースアップされるだろう.日本的な拝金を悪とする風潮にうんざりする.

この点ホロライブは,戦略的に相手を選ぶようマネージャーの指示があったことを挙げている.最近でもAPEXコラボの方針から明らかだ.ホロライブは1チームのみの出場で機会損失を最小限に留める一方,絶賛売込中の男性ユニットを猛プッシュしている.営業の好例と言えるくらい露骨でうまい.ちなみにこの話,推しが関わっていながらこの記事を読むまで知らなかった.

さらに資本関係などから,他社の連携による包囲が迫っていると指摘する.このあたりは陰謀論臭くもあるが面白い指摘だ.ゴシップが好きな人間のダメなところだが.ただここまで全体を通して言えることだが,別段この業界も資本主義の只中にあるわけで,そこで生存戦略としてコネや根回しは正当な範囲において必須だ.ただ馬鹿正直に優しく楽しくやってうまくいくほど甘いものではないだろう.ビジネスである以上,毅然とした態度は必要不可欠だ.サークルノリと言われてしまうのも,こういった点が関連するかもしれない.

衰退傾向のにじさんじをしり目に,翻ってホロライブの勢い,長所を示唆している.他にもアンチの予防策を評価している.意図的かは不明だが,アンチスレを分散化しアフィリエイトに情報が流れにくい構造となり,炎上に強い構造があると指摘している.この点は長くなるので,後に詳しく述べる.

また元のブランドの方向性も考えられる.にじさんじはライバーによるストリーム重視で,これは衰退論でも述べられている.一方,アイドル部やホロライブは,加えて動画やアイドル売りが強い.他にもCtuberなるものも生まれていたりする.

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衰退論は,界隈のファン層には,そもそも生主の配信を好まないものも多いと批判している.ここは個人的に同意する.ニコ生の存在は知っていても,あまりイメージがよくなく面白くなさそうな印象のため見ていなかった.生主のゲーム配信画面にキャッチ―なキャラクターの絵がつくのは付加価値にはなるが,根本的な面白さが底上げされるわけではない.その点,他の企業勢はアニメやライブに精力的で有効に活用できていると言える.極論,ゲーム配信や雑談だけなら,加藤純一やもこうのように継続的に活動すればいいし,Vである必要性は低い.

さらに構造的に厳しな点として,衰退論はにじさんじが業界トップとして,3Dモデルなどでそれぞれのトップと比較されてしまう点を挙げている.

最後に炎上について言及する.衰退論は特に外部での気の緩みに注意を払っている.YouTubeSNS系固有の特徴として,炎上が商法になるように,過激な発言は劇薬となる.この問題は既に顕在化している.代表的なのものとして夢追翔が挙げられている.そこで衰退論は汚物ノリへの嫌悪感を強めに出している.個人勢でありながら,企業勢に寄生し,さらに過激を誘発しているという指摘だ.

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8/11追記***

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これは概ね同意する.彼女の個人配信はほぼアーカイブメン限で,彼女が誘われることは少ないのは事実で,人権的な懸念のあるミームを稼ぎに昇華している.

しかし,だからと言って痛烈に批判できるとも言えない.上述のライバーと異なる卓越したビジネススキルやクリエイターのセンスには光るものがある.またアンチの投稿へキレたりする態度も散見され,そうした在り方の受ける視聴者層もいるだろう.

それっぽくまとめると,これらを踏まえた上で各人の距離感をマネジメントし,社会人と同様に数字を見ながらビジネスをしていくことが,今後のVtuberのみならずYouTuberに言えるだろう.これは企業に求められるCSR的にも同様の風潮だろう.