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高専から駅弁大学から東工大を経て大企業へ 浅く広い趣味とかキャリアの日記を

Homework of Urban Design class by US

はじめに

今まであまり説明せずコピペするだけでしたが,アメリカの先生のありえん課題多くてしんどい(得るものも多い)講義の課題のコピペ(アーカイブ).週2なのに毎回課題図書に対する感想文レポート最低1枚が求められている次第.ここに示したのは,冒頭の英文がその課題図書で,以下日本語が本文.Sorry in Japaneseという感じだが.で数字は講義の回数.ようやく折り返しを迎えられた次第.ちなみに最初の方が過去記事参照.ただ初回休んだこともあって,1,2回目は欠番状態.遅れて提出するとメールしたので,早いところ取り掛からないとなのだが,この毎週が重すぎて無理な次第.無理せんと...ちなゼミの毎日論文もあるのでマジで死んでいる.週6講義だし.ちなみにここの本文が12000字超えててもはや草.というわけで取捨選択しながら読んでもらえればかな.誰も読まんだろうけど.あと講義が2種類あって大別してある.

pytho.hatenablog.com

Introduction to U.S. Land Use Planning & Regulations:米国土地利用計画序説

5th

Pendall, Rolf, Robert Puentes and Jonathan Martin. “From Traditional to Reformed: A Review of the Land Use Regulations in the Nation’s 50 Largest Metropolitan Areas.” Washington DC: The Brookings Institution, 2006. (pp. 1-2 and pp. 7-19) (REQ.)

NYC City Planning & Zoning History: An Introduction to the NYC Planning Process and Zoning Resolution (read this page and all dropdown menus)

https://www1.nyc.gov/site/planning/about/city-planning-history.page (REQ.)

(NOTE: this reading can be presented in Japanese – see “Translate” tab at top of webpage)NY Dept. of State. Guide to Planning and Zoning Laws of New York State (for student reference purposes)

  • 81 City Zoning Board of Appeals, Procedure and Actions (pp. 32-34) (OPT.)
  • 267 & §267a & §267b Town Zoning Board of Appeals, Procedure and Actions (pp. 54-59) (OPT.)
  • 710 & §712 & §712a & §712b Village Zoning Board of Appeals, Procedure and Actions (pp.104-106) (OPT.)
  • 264 & §266 Town Adoption of Zoning Regulations (pp. 53) (OPT.)
  • 37 City Approval of Cluster Development (pp.30-32) (OPT.)
  • 81d City Incentive Zoning; Definitions, Purposes, Conditions, Procedures (p. 38-40) (OPT.)
  • 81f City Planned Unit Development Zoning Districts (p. 40) (OPT.)
  • 278 Town Approval of Cluster Development (p. 82) (OPT.)
  • 261b Town Incentive Zoning; Definitions, Purposes, Conditions, Procedures(pp. 48-50) (OPT.)
  • 261c Town Planned Unit Development Zoning Districts (p. 50) (OPT.)
  • 7-738 Village Approval of Cluster Development (pp. 135-136) (OPT.)
  • 7-703 Village Incentive Zoning; Definitions, Purposes, Conditions, Procedures (pp. 96-98) (OPT.)
  • 7-703a Village Planned Unit Development Zoning Districts (pp.98) (OPT.)

 

一重に土地利用規制といっても,その立場により様々な意見が出るのは当然であり,そこが簡潔にまとめられていてよかった.住環境としての担保をしても,より外部性の高い自然環境とは相反してしまう点などは難しい議題だと思った.経済についても,ウォーターフロントは不動産価値すなわち値段が上がり,低所得者が郊外などへの選択の不効用を強いられるのも同様と思った.特にこれは,自由経済アメリカらしいと思った.こうした問題は,私も参考に示した運輸政策コロキウムというイベントで聞いたことがある.そこではデンバーにおいて,税増収分による資金調達の話などがされた.そうして想定の3~4倍の開発が行われ,2018時点で4万近い開発が行われているのは素晴らしいと思う.

研究に際しデータが不足しているとして,大規模なアンケート調査が行われたのはうらやましいと思った.日本には居住地選択に特化した大規模調査はなかったと思う.国勢調査などで補おうとはしているが,根本的な解決を目指し真似てもいいと思う.日本では地方の人口や経済的な持続可能性が大きな課題になり,東京をはじめとした都市の集中がいまだに熱い.そのため社会的意義も大きいだろう.また具体的には,こうした対策を施しても市町村が個で行い,連携はほとんど行われない.そもそもの土地利用計画(都市計画区域用途地域)を包括的な視点でまとめる必要がある.これは参考に示した塩士らも述べている.

EISのみならずAPFOという枠組みもあり,環境保護に熱心で素晴らしいと思った.さらに賦課金も設定され,合理的だと思う.Map5を始め,綺麗に地域差が表れており,特に西側で積極性が顕著に見えた.おそらく土地柄が主となって住民性なども反映されたと考えられ興味深い.

報告書の経緯は,計画期間ができたりつぶれたり紆余曲折があったが,利益団体と政治の相互で連携されて,全体を包括的に行い奉仕者が生まれているのは感心した.

 

第131回運輸政策コロキウム「北米における都市鉄道整備と沿線開発」

https://www.jterc.or.jp/events/2019/collo131.html#event_result

6th

Cullingworth, J. Barry and Roger Caves. Planning in the USA: Policies, Issues and Processes. London: Routledge, 2014. Chapter 4, “Planning and Sustainability,” pp. 78-92. (REQ.)

Wheeler, Stephen M. “Tools for Sustainability Planning” in Planning for Sustainability. New York: Routledge, 2013. pp 86-104. (OPT.)

 

SDGsは2015年に採択され,日本では近年ようやく浸透してきたが,アメリカにおいては1970年代頃から環境意識の一環として考えられてきていたことは意外だった.特に当時である昔では,いわゆるトランプの回帰する偉大なアメリカの時代であり,世界一としての矜持と責任感があったのかと思う.そこで,環境だけでなく,貧困などを包括的に捉えており,そのためより先進的な意識があったのだろうと予想される.とはいえ,歴史を振り返ってみると,アメリカの行動がそれほど評価できたかは微妙だと思う.軍事面や資金力で言えば,確かにその通りだが,京都議定書の脱退など環境面では消極的だった印象がある.またヨーロッパ各国と比べても,環境という面においては劣っているだろう.その分,どうしても経済が重視されてきた印象がある.ただ本書の冒頭にもあるように,持続可能性においては両者のバランスが重要であり,その両立が必ずしも軽視されていたわけではなく,ただ比重が違っただけだろう.

しかし1970年にはEPAが設置され,前年にはNEPAが制定されていたので,必ずしもアメリカを否定はできないとも思う.ただ日本においても,環境省の前身となる環境庁は1971年に設置されているので同程度と言える.最近では,土木に近い分野として2009年にDOTと協力というのは関心/感心が持てる.

またSDGsの評価のために指標が設けられているのは,非常に評価できる.最近でもそうした指標を開発していた論文を下記に示す通り読んでおり,それが活用されているのはいいことだと思う.さらに全体のプロセスにおいても,こうしたものがあらかじめ用意されているのは,円滑化が図れ,市民などにも分かりやすく優れていると考えられる.日本においては,こうした学術研究はなぜか政策決定と遠いところにあり,あまり活用されていないように感じ,その全体的なフレームワークが課題だとも思う.シアトルでもBREとの連携などがあり,アメリカ全体で国や地方など様々なシーンで有機的な連携がとられており評価できる.

またカリフォルニアでの住宅への義務化はすごいと思った.日本においては,こうした強い規制は反対を生み実現できないと思う.こうした法律面での整備が進めば,おのずと環境も改善するであろうがその前提となる合意形成がどのように達成されたかは興味深い.また住宅と言えば,日本おいては目下のところ,空き家が深刻な問題である.しかし依然として,熱烈な新築信仰があり,ハウスメーカもそれを扇動している.持続可能という視点においては,日本ではこのストックを如何に活用していくかが大きく重大なテーマであり,市民の関心を深めていく必要があるだろう.個人的には,まず問題となる現状を広く周知するため,メディアに発信してもらう必要があり,その後議論が尽くされればと思う.だが実現は遠く険しそうである.

またその後のページで農業へのいわゆる回帰のような想起・提案がされているのは面白い.日本においても,有機栽培やその食材は一定の人気がある.しかし都市には,畑が非常に少なく縁遠い存在になっている.また同様に公園も不足している.土地利用という視点に戻ると,こうした改善も必要だろう.先ほどの空き家問題と絡めるなら,そうした土地は要は余っているので,解体費用の問題は残ってしまうが,そこを公園や小さな畑,あるいはほかの持続可能的な施設,例えば太陽光発電,などに置換できれば,日本の都市環境も改善の余地があると思う.そのためには,やはり現状の把握と,費用問題.権利問題を解決すべく,強い法律が求められるところだろうか.そして地区に小さな畑ができれば,食育や環境意識の改善,都市緑化の増強が見込める.私がイギリス・ロンドンに行った際は,都心部でも花をはじめとした緑が多く,その多くが個人のものであり衝撃的だった.日本もこうしたポテンシャルは秘めていると思うので,可能なインフラを整備することが私たちには求められているだろう.

7th

Rocky Mountain Land Use Institute. Sustainable Community Development Code. Denver CO: RMLUI, 2008. (REQ.)

Condon, Patrick M. Seven Rules for Sustainable Communities: Design Strategies for a PostCarbon World. Washington DC: Island Press, 2010. Chapter 8: “Invest in Cheaper, Lighter Green Infrastructure.” (REQ.)

 

Green Infrastructureでは,都市のスプロール化に言及されており,この点はコンパクトシティの考えのベースになったものと考えられる.世界の先進国では共通の課題を抱えているだろうが,日本は特に人口減少が著しく都市の適切な縮退が必要不可欠となっている.しかし住民理解は思うように進まず大きな社会問題となっている.ここにも書かれているように,インフラの維持費の問題は非常に難しい.目下のところ,日本の税制などからすれば,税負担者の負担が増加するあまりである.また日本では先進国でも随一の高齢化社会でもあり,その社会保障費が増大しているため,インフラ維持費も増額が難しいというジレンマに陥っている.一方で,居住地選択の自由も憲法で保障された権利であり,その主張を無視したり社会性を大きく優先したりすることはできない.ただしこうしたジレンマにおいては,個人的には裁判所の判断が入れば,今後はより円滑な施策が可能になるのではないかと考えている.個人の自由といっても公共の福祉が優先される.その判断を国交省や各市町村役場が行うのは難しいし,分権上不適切であるためだ.また費用負担割合についても,遅きに失したところはあるが,議論すべきテーマである.これは予算問題であるから,国会論争が適切だろう.これは私自身やその周りの世代も大きく関わるところだが,上の世代の問題を先送りにされるわけにもいかない.公平性という観点から考えれば,そうした対応を求めたいところである.ただし単純な構図では,世代間格差で対立が深まるだけなので,融和的に検討していかなければならない.ちなみにこの問題は,老後2000万円問題や将来の年金に対する不安などから若者の関心も高まっているところである.さらにこうした負担は高齢者の無理な居住地選択にあるとも考えられる.経済成長期に家を建設した彼らは,防災上やインフラ維持上難しい地域に住んでいることが少なくない.彼らを都市の空き家などにうまく移転される方法も,私たちの分野が社会に求められていることの1つと思う.

またこうした防災・適切な住居という視点においては,もう一方の図書のDevelopment Codeが参考になる.日本において,こうした法律,codeは難解なものであり,しばしば辞書のようなもので市民理解を促すようなものは少ない.その点,このcodeは表にまとめられ分かりやすくてよかった.またこれにおいて,各視点が考慮されているのがよかった.日本においては,住宅のガイドラインは分野ごとに縦割りになっている場合が多いと思う.ここでは,住宅に焦点を絞りながら,地球温暖化,価格,防災(山火事),再生可能エネルギーが包括的に網羅されていて実用性が高い.いずれの項目も評価できる.防災については,国ごとにその特性が異なるので,アメリカでは山火事が挙げられているのは面白い.

また価格についても自由経済主義のアメリカらしいと言える.日本でも経済は自由とされるが,地域とのマッチングのようなものはそれほど考慮されていないと思う.デベロッパーが好きなように開発して値段を決め,そこに人々が各々選択して買うという場合が多い.その点,意外と自由さでは日本が勝るかもしれない.しかし公正さや全体のバランスを考えるとあまり適切ではないように思う.日本でも豊洲タワーマンションや,世田谷・白山の低層な住宅街は高級なものとして知られているが,多くは地域のブランドに依存している.特に川崎市は混沌としている.東京にほど近く地価水準は高いが,工場なども擁しており治安もそれほど良くはない.一方で,東急などが再開発に際しブランド化を進め,武蔵小杉や二子玉川(こちらは隣接の世田谷だが)を作り上げた.ただしこうしたアンバランスさが,通り魔事件などを暗に生んでいる懸念がある.また先日の台風19号では,大きな被害を受けた.一説には堤防建設に対し,景観上の反対があったとされる.こうした合意形成の難しさを生んでいる可能性がある.またタワーマンションでは,同じ場所に住みつつも,住む階層によって所得水準は大きく異なる.これが前述の問題を生んだ可能性もある.さらに被害を受けインフラが機能停止したことで,トイレに関する隔壁を生んでいるとの話も散見される.日本においては,こうした地域でなくても,特に集合住宅・マンションにおいて,コミュニティが消失している.しかしこうした人と共生することで,より質の高い生活を持続可能的に過ごせるだろう.特に日本・東京で問題になっている防災・育児は,1人あるいは1世帯ではできることが限られている.そのために団結が今後ますます重要になるだろう.

また環境負荷低減について盛り込まれているのも評価できる.日本では太陽光発電については,急ぎすぎたためか思考停止したようなFITが導入された.これは固定価格で買い取るので企業には,設置の工夫などのインセンティブがはたらかない.そのため乱開発が行われてしまった.ゆえに防災上危険な斜面の森を切り開いてでも設置され,九州では持て余す事態に発展している.メガソーラーも重要だが,より住宅保有者に対して設置を促せるFITにすべきだったと思う.各家庭による環境の関心を高めることと,エネルギーのリダンダンシーを持たせることが重要だろう.

再度Green Infrastructureに戻ると,水道について深く言及されているのも面白い.特に前述のように日本では先日の台風19号のような対策が重要である.日本は近代化が進み多くの地域でアスファルト舗装と下水道が整備された.しかしこれにより自然の貯留機能は失われ,雨は鉄砲水のごとく川に流れるようになった.そのために下流域での水害対策はますます難しくなった側面があるだろう.これはダムや下流のバイパス水路もあり,一概には言えない.ただこうして自然が破壊されているのは確かである.特に都心部の河川では,川をより早く流すため,その底面や側面まで舗装されている.これは非常に不適切である.水のインフラも多くが老朽化を迎え,そのあり方・方法の見直しをしながら対策すべきだろう.また東京をはじめ発展の早かった多くの都市では,雨水と汚水を流す下水管が同一の合流式を採用している.人間の出す汚物やゴミの環境影響負荷を低減し,また洪水時にも適切に雨水が排水されるように分流式にも置き換えていかなければならない.

 

Contextual Urban Design: U.S. Experience & Perspectives:コンテクスト配慮型都市デザイン

5th

Venturi, Robert. Complexity and Contradiction in Architecture. New York: The Museum of Modern Art, 1966. (Pages 16-19) (REQ.)

Ellin, Nan. “Themes of Post Modern Urbanism.” from Postmodern Urbanism (1996) in The Urban Design Reader, 2nd Ed. Michael Larice and Elizabeth Macdonald, eds. New York: Routledge, 2013. (OPT.)

 

私は土木の出身なので建築はそれほど詳しくないが,土木プロジェクトは公共性が高くコストパフォーマンスが重視されるように,モダニズム建築も合理性という観点で似たマインドがあるため,個人的には好きである.建物も従来のゴシック様式などとは異なり装飾が取り除かれ,シンプルですっきりしていて良い.これには本に書かれているように,様々な社会背景により導かれたものだと考えられる.

まず経済成長だ.より効率が求められるようになり,意匠が徐々に衰退したと考えられる.これは必ずしも良いこととは言えないと思う.現代化が進むのは喜ばしいが,伝統の保護などが難しい懸念がある.日本においても,パネル工法などの便利な方法が台頭し,左官や宮大工の技術の低下や伝統の引き継ぎが難しくなっている.一般の建物はそれでも構わないが,より古い文化財の保護を困難にしている.さらに最近では,3Dプリンタによる住宅建築まで行われ始めている.技術向上を受け入れる一方,デメリットについてもしっかり向き合わなければならないと思う.またこれには第二に,材料などの変化も挙げられるだろう.これまで述べた技術と同様にして.これまでは石などが主で切り出すにあたり意匠もされただろう.これが鉄とコンクリートになったことでブレイクスルーが起きたと考えられる.どちらも便利な素材だが,手で成形はできない.またいずれも直線的な方が建築としても合理的で,社会背景とのシナジーが非常に高い.

日本においては,ポストモダンに対するアンチテーゼとしてモダニズム建築が台頭すると考えられる.というのも,日本は人口減少に伴い経済的余裕も少なくなるだろう.そこでより経済的な建物が必要になる.新国立競技場の経緯は象徴的だ.ザハの曲線的な建物は,ポストモダンの代表的なものだが,建築費のあまりの高さに批判が高まり,白紙撤回された.その後は隈研吾の設計に変更された.これがモダニズム建築だとは思わないが,要は日本人は建築費に非常に敏感になっている.この心の奥にある世論こそが,ポストモダンのアンチテーゼだと私は考える.また隈研吾の建築も,鉄骨を木で覆うなど,従来にはない手法を用いており,モダニズム建築の表面を化粧させる新たなモダニズム建築としても考察できる余地があるように思う.これは最近のスターバックス店舗などにも見られると思う.彼らはお洒落な空間を売りにしているが,彼らもビジネスなので建物にそこまでお金はかけられない.その落とし所となっていると考えられる.その多くは,設計から凝った建物ではなく,RCなどの表面にガラスや木をバランスよく配置したに過ぎずモダニズム建築的だ.また実際にそこはお洒落で居心地のいい空間として,多くの人に人気を博している.すなわち世論の獲得だ.

これは前述の技術の継承問題に対する妥協的打開策とも読み取れると思う.この日本の困っていた建築マインドを,スターバックスはうまく拾い上げて,ビジネスへと昇華させられたと考えられる.ただ一方,本質的で根本的な解決に至ったいないのは課題である.やはりこうした問題には政治的な補助が必要であり,技術が途絶える前に早めに手を打たなければならないと思う.

最後に新工法のSRCやCBRは,モダニズム建築の発展としても新たな可能性を秘めていると思う.

6th

Kelbaugh, Douglas S. “Critical Regionalism: An Architecture of Place.” from Repairing the American Metropolis: Common Place Revisited (2002) in The Urban Design Reader, 2nd Ed. Michael Larice and Elizabeth Macdonald, eds. New York: Routledge, 2013. (REQ.)

 

建築において,産業革命以前のようなノスタルジックな主義への回帰が見られるのは面白い.これは前回のレポートで示したモダニズムへのアンチテーゼの一種だろう.しかしこれは難しい問題だ.産業革命などの技術の発展により,建築も同様に発展してきたが,それを捨てるようなことは,科学技術を大きく享受する近代では,実質不可能である.そのためここで示されているこうした地域主義というのも難しいだろう.例えば日本においては,その昔,白川郷に代表される茅葺の屋根という形式があったが,これを現代に受け継ぐのは困難である.ガルバリウム鋼板などが一般的になっている.

ただ一方でこうしたものは都心部における話であり,田園地域のような地方部ではいくらか実現可能性がある.そうした昔ながらの産業が辛うじて息づいている地域もある.また文化財や景観の観点から重要視されている地域もしばしばある.先述の白川郷を始め,都心近くであっても京都や川越などが当てはまるだろう.京都は日本でも随一の文化財の残る趣深い都市として,積極的に調和のとれた施策を行っている.まずは色である.チェーン店であっても景観に配慮し,街に溶け込むよう派手な色彩は規制されている.また建物高さも同様である.ただ必ずしも過去と同じ建築がされているわけではなく,経済的な要素とバランスをとってそれに似せた努力を行っている.これは私としては評価できる.日本においては,こうした保存すべき街並みは多くあると思うが,大抵うまく規制ができていない.利活用と風土・景観を両立させて,街を発展させながら個性を生かしていくことが肝要だと思う.

日本の街並み・コンテクストで私が問題だと感じるのは,チェーン店などによる画一的な景観が広がっていることだ.どの街に行っても分かりやすいようにコンビニやファミレス,銀行の看板が広がっている.経済発展の中で仕方のない部分はどうしてもあるだろうが,これは街を均質化していて日本ではかなり深刻だと感じる.例えば,電気街として繁栄していた秋葉原も20年ほど前と比べ,かなり“一般化”してしまった.そのためその地域の景観的な面白さ,観光としての魅力は低下したように感じる.一方で,その近くの電車の高架下のアーチを活用した店舗街は,新橋などにまで広がっていて個性的で面白く歴史的でもある.耐震補強なども行われ,調和という点で評価できる.こうしたものが増えるといいと思うし期待したい.またチェーン店の台頭のアンチテーゼとして,フランチャイズによる個人の台頭が起きれば,そうしたものへの解決になるのではないかと考えている.

また都心部だけでなく,地方でも残すべきだろう.特に沖縄の台風対策の家は現代にも合理性が残されている.これらはむしろ現代のパネル工法などは適さないだろう.むしろ気候変動に対し,本土への輸入すら考えるべきではないかとも考えられる.あるいはこうしたものをコンクリートなどの技術と絡め,さらに発展させていくというのも手段の1つだろう.

7th

Koolhaas, Rem. Delirious New York: A Retroactive Manifesto for Manhattan. New York: Monacelli Press, 1994. (“Introduction” Pages 9-27; Chapter 5, “Europeans: Biuer! Dali and Le Corbusier Conquer New York” Pages 235-28; Chapter 6: “Appendix: A Fictional Conclusion” Pages 233-310). (OPT.)

Hood, Walter and Megan Basnak. “Diverse Truths: Unveiling the Hidden Layers of the Shadow Catcher Commemoration” in Diversity and Design: Understanding Hidden Consequences. Beth Tauke, Korydon Smith, and Charles Davis, eds. New York: Routledge, 2016. (REQ.)

 

そもそも歴史においてあまり重視されていない日常生活に近い部分の建築に焦点を当てるという視点が面白かった.しかし文化財の保護や歴史を学ぶ上では,非常に重要なことで見落としていたと思う.確かにこうしたありふれた日常こそが歴史をより多く語るものだと思う.対して一般的な大きな文化財というのは,往々にしてプロパガンダのようなものが含まれている可能性もあると考えられる.その点日常は素朴で良い.その中で認知バイアスが許容されているのも面白い.特にそこにおいて,設計者とコミュニティ双方のものが尊重されているのは同意できる.またここのコミュニティも妥当なものが検討されていると感じた.確かにこうした歴史的なものが重視される場面においては,書かれているように古くから地域に暮らすような人たちの意見が尊重されるべきである.だがそれでも住民全体も尊重されているようで良いと思った.ただここでそれらのバランス・調和をどのようにとっているのかについては興味深いところである.さらに言えば設計者が同じように住民に待遇すると言っても実際には上限・制約がある.この点は設計者の手腕が試されるところなのだろうと考えられる.日本においては,こうしたカリスマ的な人は少なく実現は難しいかもしれないと思った.

具体例として高速道路下のアイデアは面白いと思った.日本では大抵が駐車場になるだけで,まれに商店が入る程度である.これをより有効に使うことは,国土の狭い日本ではより重要だろう.そこに初めに述べた地域の再生などを試みるとより面白い街を生み出せると考えられる.こういった余ったスペースは敬遠されがちである.それは駐車場の多い実態の裏付けでもある.これを地域で相談し,如何に魅力ある空間へ改善していくかは,有意義な議論が深まるテーマであり,また実用的である.また都市のコンテキストとしても,コンクリートの土木構造物で殺風景ながらモダンさを持つ高速道路と,昔ながらな魅力ある景観はコントラストがあって面白いかもしれない.ただしミスマッチで景観を大きく破壊するかもしれない諸刃の剣なので,慎重に行う必要はある.

参考:過去記事

pytho.hatenablog.com

pytho.hatenablog.com

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